憲問第十四 343-388

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343	憲(けん)、恥(はじ)を問(と)う。子(し)日(のたま)わく、邦(くに)、道(みち)有(あ)れば穀(こく)す。邦(くに)、道(みち)無(な)くして穀(こく)するは、恥(はじ)なり。
344	克(こく)・伐(ばつ)・怨(えん)・欲(よく)、行(おこ)なわれざる、以(もっ)て仁(じん)と為(な)すべきや。子(し)日(のたま)わく、以(もっ)て難(かた)しと為(な)すべし。仁(じん)は則(すなわ)ち吾(われ)知(し)らざるなり。
345	子(し)日(のたま)わく、士(し)にして居(きょ)を懐(おも)うは、以(もっ)て士(し)と為(な)すに足(た)らず。
346	子(し)日(のたま)わく、邦(くに)、道(みち)有(あ)れば、言(げん)を危(たか)くし行(おこな)いを危(たか)くす。邦(くに)、道(みち)無(な)ければ、行(おこな)いを危(たか)くし、言(げん)は孫(したが)う。
347	子(し)日(のたま)わく、徳(とく)有(あ)る者(もの)は必(かなら)ず言(げん)有(あ)り。言(げん)有(あ)る者(もの)は必(かなら)ずしも徳(とく)有(あ)らず。仁者(じんしゃ)は必(かなら)ず勇(ゆう)有(あ)り。勇者(ゆうしゃ)は必(かなら)ずしも仁(じん)有(あ)らず。
348	南(なん)宮(きゅう)适(かつ)、孔子(こうし)に問(と)うて曰(い)わく、羿(げい)は射(しゃ)を善(よ)くし、奡(ごう)は舟(ふね)を盪(うご)かす。倶(とも)にその死(し)の然(しか)るを得(え)ず。禹(う)と稷(しょく)とは躬(みずか)ら稼(か)して天下(てんか)を有(たも)つ。夫子(ふうし)答(こた)えず。南(なん)宮(きゅう)适(かつ)出(い)ず。子(し)日(のたま)わく、君子(くんし)なるかな若(かくのごと)き人(ひと)。徳(とく)を尚(たっと)ぶかな若(かくのごと)き人(ひと)。
349	子(し)日(のたま)わく、君子(くんし)にして仁(じん)ならざる者(もの)有(あ)らんか。未(いま)だ小人(しょうじん)にして仁(じん)なる者(もの)有(あ)らざるなり。
350	子(し)日(のたま)わく、之(これ)を愛(あい)して能(よ)く労(ろう)することなからんや。忠(ちゅう)にして能(よ)く誨(おし)うることなからんや。
351	子(し)日(のたま)わく、命(めい)を為(つく)るに卑諶(ひじん)之(これ)を草創(そうそう)し、世叔(せいしゅく)之(これ)を討論(とうろん)し、行人(こうじん)子羽(しう)之(これ)を脩飾(しゅうしょく)し、東里(とうり)の子産(しさん)之(これ)を潤色(じゅんしょく)す。
352	或(あ)るひと子産(しさん)を問(と)う。子(し)日(のたま)わく、恵人(けいじん)なり。子(し)西(せい)を問(と)う。日(のたま)わく、彼(かれ)をや彼(かれ)をや。管(かん)仲(ちゅう)を問(と)う。日(のたま)わく、この人(ひと)や、伯(はく)氏(し)の駢邑(べんゆう)三百(さんびゃく)を奪(うば)い、疏食(そし)を飯(くら)いて、歯(よわい)を没(ぼっ)するまで怨言(えんげん)なし。
353	子(し)日(のたま)わく、貧(まず)しくして怨(うら)む無(な)きは難(かた)く、富(と)みて驕(おご)る無(な)きは易(やす)し。
354	子(し)日(のたま)わく、孟(もう)公綽(こうしゃく)、趙(ちょう)魏(ぎ)の老(ろう)と為(な)れば則(すなわ)ち優(ゆう)なり。以(もっ)て滕(とう)薛(せつ)の大夫(たいふ)と為(な)るべからず。
355	子(し)路(ろ)成人(せいじん)を問(と)う。子(し)曰(のたま)わく、臧(ぞう)武(ぶ)仲(ちゅう)の知(ち)、公綽(こうしゃく)の不欲(ふよく)、卞(べん)荘子(そうし)の勇(ゆう)、冉(ぜん)求(きゅう)の芸(げい)の若(ごと)き、之(これ)を文(かざ)るに礼(れい)楽(がく)を以(もっ)てせば亦(また)以(もっ)て成(せい)人(じん)と為(な)すべし。曰(のたま)わく、今(いま)の成人(せいじん)は何(なん)ぞ必(かなら)ずしも然(しか)らん。利(り)を見(み)ては義(ぎ)を思(おも)い、危(あや)うきを見(み)ては命(めい)を授(さず)け、久(きゅう)要(よう)は平生(へいせい)の言(げん)を忘(わす)れざる、亦(また)以(もっ)て成人(せいじん)と為(な)すべし。
356	子(し)、公叔(こうしゅく)文子(ぶんし)を公明(こうめい)賈(か)に問(と)うて曰(のたま)わく、信(まこと)なるか、夫子(ふうし)の言(い)わず、笑(わら)わず、取(と)らざること。公明(こうめい)賈(か)対(こた)えて曰(い)わく、以(もって)て告(つ)ぐる者(もの)の過(あやま)てるなり。夫子(ふうし)、時(とき)にして然(しか)る後(のち)に言(い)う、人(ひと)其(そ)の言(い)うことを厭(いと)わざるなり。楽(たの)しみて然(しか)る後(のち)に笑(わら)う、人(ひと)其(そ)の笑(わら)うことを厭(いと)わざるなり。義(ぎ)にして然(しか)る後(のち)に取(と)る、人(ひと)其(そ)の取(と)ることを厭(いと)わざるなり。子曰(しのたま)わく、其(そ)れ然(しか)り。豈(あに)其(そ)れ然(しか)らんや。
357	子曰(しのたま)わく、臧(ぞう)武(ぶ)仲(ちゅう)、防(ぼう)を以(もっ)て後(のち)を魯(ろ)に為(な)すを求(もと)む。君(きみ)を要(よう)せずと曰(い)うと雖(いえど)も、吾(われ)は信(しん)ぜざるなり。
358	子曰(しのたま)わく、晋(しん)の文(ぶん)公(こう)は譎(いつわ)りて正(ただ)しからず。齊(せい)の桓(かん)公(こう)は正(ただ)しくて譎(いつわ)らず。
359	子(し)路(ろ)曰(い)わく、桓公(かんこう)、公子(こうし)糾(きゅう)を殺(ころ)す。召忽(しょうこつ)之(これ)に死(し)し、管(かん)仲(ちゅう)は死(し)せず。曰(い)わく、未(いま)だ仁(じん)ならざるか。子(し)曰(のたま)わく、桓公(かんこう)諸侯(しょこう)を九合(きゅうごう)するに、兵車(へいしゃ)を以(もっ)てせざるは、管(かん)仲(ちゅう)の力(ちから)なり。其(そ)の仁(じん)に如(し)かんや、其(そ)の仁(じん)に如(し)かんや。
360	子(し)貢(こう)曰(い)わく、管(かん)仲(ちゅう)は仁者(じんしゃ)に非(あら)ざるか。桓公(かんこう)、公子(こうし)糾(きゅう)を殺(ころ)して、死(し)する能(あた)わず、又(また)之(これ)を相(たす)く。子曰(しのたま)わく、管(かん)仲(ちゅう)、桓公(かんこう)を相(たす)けて、諸侯(しょこう)に覇(は)たらしめ、一(ひと)たび天下(てんか)を匡(ただ)す。民(たみ)、今(いま)に到(いた)るまで其(そ)の賜(たまもの)を受(う)く。管(かん)仲(ちゅう)微(な)かりせば、吾(われ)其(そ)れ髪(かみ)を被(こうむ)り衽(えり)を左(ひだり)にせん。豈(あに)匹夫(ひっぷ)匹婦(ひっぷ)の諒(まこと)を為(な)し、自(みずか)ら溝(こう)瀆(とく)に経(くび)れて之(これ)を知(し)るもの莫(な)きが若(ごと)くならんや。
361	公叔(こうしゅく)文子(ぶんし)の臣(しん)、大夫(たいふ)僎(せん)、文子(ぶんし)と同(おな)じく諸(これ)を公(こう)に升(のぼ)す。子(し)之(これ)を聞(き)きて曰(のたま)わく、以(も)って文(ぶん)と為(な)すべし。
362	子(し)衛(えい)の霊(れい)公(こう)の無道(むどう)なるを言(い)う。廉子(こうし)曰(い)わく、夫(そ)れ是(かく)の如(ごと)くんば、奚(いか)にしてか喪(ほろ)びざる。孔子(こうし)日(のたま)わく、仲叔圉(ちゅうしゅくぎょ)は賓客(ひんきゃく)を治(おさ)め、祝(しゅく)鮀(だ)は宗(そう)廟(びょう)を治(おさ)め、王孫(おうそん)賈(か)は軍(ぐん)旅(りょ)を治(おさ)む。夫(そ)れ是(かく)の如(ごと)くんば、奚(なん)ぞ其(そ)れ喪(ほろ)びん。
363	子(し)日(のたま)わく、其(そ)の言(げん)を之(こ)れはじざれば、則(すなわ)ち之(これ)を為(な)すや難(かた)し。
364	陳(ちん)成子(せいし)、簡公(かんこう)を弑(しい)す。孔子(こうし)沐浴(もくよく)して朝(ちょう)し、哀公(あいこう)に告(つ)げて日(のたま)わく、陳(ちん)恒(こう)其(そ)の君(きみ)を弑(しい)す。請(こ)う之(これ)を討(う)たん。公(こう)日(いわ)く、夫(か)の三子(さんし)に告(つ)げよ。孔子(こうし)日(のたま)わく、吾(われ)大夫(たいふ)の後(しりえ)に従(したが)えるを以(もっ)て、敢(あえ)て告(つ)げずんばあらざるなり。君(きみ)日(いわ)く、夫(か)の三子者(さんししゃ)に告(つ)げよと。三子者(さんししゃ)に之(ゆ)きて告(つ)ぐ。可(き)かず。孔子(こうし)日(のたま)わく、吾(われ)大夫(たいふ)の後(しりえ)に従(したが)えるを以(もっ)て、敢(あえ)て告(つ)げずんばあらざるなり。
365	子(し)路(ろ)、君(きみ)に事(つか)えんことを問(と)う。子(し)日(のたま)わく、欺(あざむ)くこと勿(なか)れ。而(しか)して之(これ)を犯(おか)せ。
366	子(し)日(のたま)わく、君子(くんし)は上達(じょうたつ)し、小人(しょうじん)は下達(かたつ)す。
367	子(し)日(のたま)わく、古(いにしえ)の学者(がくしゃ)は己(おのれ)の為(ため)にし、今(いま)の学者(がくしゃ)は人(ひと)の為(ため)にす。
368	蘧(きょ)伯(はく)玉(ぎょく)、人(ひと)を孔子(こうし)に使(つか)いせしむ。孔(こう)子(し)之(これ)と坐(ざ)して問(と)うて日(のたま)わく、夫子(ふうし)何(なに)をか為(な)す。対(こた)えて曰(い)わく、夫子(ふうし)は其(そ)の過(あやま)ちを寡(すくな)くせんと欲(ほっ)して未(いま)だ能(あた)わざるなり。使者(ししゃ)出(い)ず。子(し)日(のたま)わく、使(つかい)なるかな、使(つかい)なるかな。
369	子(し)日(のたま)わく、其(そ)の位(くらい)に在(あ)らざれば、其(そ)の政(まつりごと)を謀(はか)らず。・・・泰伯第八201章重出
370	曽子(そうし)曰(い)わく、君子(くんし)は思(おも)うこと其(そ)の位(くらい)を出(いで)ず。
371	子(し)日(のたま)わく、君子(くんし)は其(そ)の言(ことば)の其(そ)の行(おこない)に過(す)ぐるを恥(は)ず。
372	子(し)日(のたま)わく、君子(くんし)の道(みち)なるもの三(みっ)つ、我(われ)能(よ)くすること無(な)し。仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず、知者(ちしゃ)は惑(まど)わず、勇者(ゆうしゃ)は懼(おそ)れず。子(し)貢(こう)日(いわ)く、夫子(ふうし)自(みずか)ら道(い)うなり。
373	子(し)貢(こう)人(ひと)を方(たくら)ぶ。子(し)日(のたま)わく、賜(し)や賢(けん)なるかな。夫(そ)れ我(われ)は則(すなわ)ち暇(いとま)あらず。
374	子(し)日(のたま)わく、人(ひと)の己(おのれ)を知(し)らざるを患(うれ)えず、其(そ)の不能(ふのう)を患(うれ)うるなり。
375	子(し)日(のたま)わく、詐(いつわり)を逆(むか)えず、信(しん)ぜられざるを億(おもんばか)らずして、抑(そもそも)亦(また)先(ま)ず覚(さと)る者(もの)は是(こ)れ賢(けん)か。
376	微生(びせい)畝(ほ)、孔子(こうし)に謂(い)いて曰(い)わく、丘(きゅう)、何(なん)為(す)れぞ是(これ)栖栖(せいせい)たるものぞ。乃(すなわ)ち佞(ねい)を為(な)すこと無(な)からんや。孔子対(こうしこた)えて日(のたま)わく、敢(あえ)て佞(ねい)を為(な)すに非(あら)ざるなり。固(こ)を疾(にく)めばなり。
377	子(し)日(のたま)わく、驥(き)は其(そ)の力(ちから)を称(しょう)せず、其(そ)の徳(とく)を称(しょう)するなり。
378	或(ある)るひと曰(い)わく、徳(とく)を以(もっ)て怨(うら)みに報(むく)いば何如(いかん)。　子(し)日(のたま)わく、何(なに)を以(もっ)てか徳(とく)に報(むく)いん。直(なお)きを以(もっ)て怨(うら)みに報(むく)い、徳(とく)を以(もっ)て徳(とく)に報(むく)いん。
379	子(し)日(のたま)わく、我(われ)を知(し)ること莫(な)きかな。子(し)貢(こう)曰(い)わく、何(なん)為(す)れぞ其(そ)れ子(し)を知(し)ること莫(な)からんや。子(し)日(のたま)わく、天(てん)を怨(うら)みず、人(ひと)を尤(とが)めず、下学(かがく)して上達(じょうたつ)す。我(われ)を知(し)る者(もの)は其(そ)れ天(てん)か。
380	公(こう)伯寮(はくりょう)、子(し)路(ろ)を季孫(きそん)に愬(うった)う。子服景(しふくけい)伯(はく)以(もっ)て告(つ)げて曰(い)わく、夫子(ふうし)固(まこと)に公(こう)伯寮(はくりょう)に惑(まど)える志(こころざし)有(あ)り。吾(わ)が力(ちから)猶(なお)能(よ)く諸(これ)を市(し)朝(ちょう)に肆(さら)さん。子(し)日(のたま)わく、道(みち)の将(まさ)に行(おこな)われんとするや、命(めい)なり。道(みち)の将(まさ)に廃(すた)れんとするや、命(めい)なり。公(こう)伯寮(はくりょう)、其(そ)れ命(めい)を如何(いかん)せん。
381	子(し)日(のたま)わく、賢者(けんじゃ)は世(よ)を避(さ)く。其(そ)の次(つぎ)は地(ち)を避(さ)く。其(そ)の次(つぎ)は色(いろ)を避(さ)く。その次(つぎ)は言(げん)を避(さ)く。子(し)日(のたま)わく、作(な)す者(もの)七人(しちにん)。
382	子(し)路(ろ)、石門(せきもん)に宿(やど)る。晨門(しんもん)曰(い)わく、奚(いず)れ自(よ)りぞ。子(し)路(ろ)曰(い)わく、孔子(こうし)自(よ)りす。日(いわ)く、是(こ)れ其(そ)の不可(ふか)なるを知(し)りて、而(しか)も之(これ)を為(な)す者(もの)か。
383	子(し)、磬(けい)を衛(えい)に撃(う)つ。簣(あじか)を荷(にな)いて孔子(こうし)の門(もん)を過(す)ぐる者(もの)有(あ)り。曰(い)わく、心(こころ)有(あ)るかな、磬(けい)を撃(う)つこと。既(すで)にして曰(い)わく、鄙(いや)しきかな、硜硜(こうこう)乎(こ)たり。己(おのれ)を知(し)ること莫(な)くんば、斯(こ)れ已(やまん)のみ。深(ふか)ければ厲(れい)し、浅(あさ)ければ掲(けい)す。子(し)日(のたま)わく、果(か)なるかな。之(これ)を難(かた)しとする末(な)きなり。
384	子(し)張(ちょう)曰(い)わく、書(しょ)に云(い)う、高宗(こうそう)、諒(りょう)陰(あん)三年(さんねん)言(い)わずとは、何(なん)の謂(いい)ぞや。子(し)日(のたま)わく(く、)、何(なん)ぞ必(かなら)ずしも高宗(こうそう)のみならんや。古(いにしえ)の人(ひと)皆(みな)然(しか)り。君(きみ)薨(こう)ずれば、百官(ひゃっかん)己(おのれ)を総(す)べて、以(もっ)て冢(ちょう)宰(さい)に聴(き)くこと三年(さんねん)なり。
385	子(し)日(のたま)わく、上(かみ)、礼(れい)を好(この)めば、則(すなわ)ち民(たみ)使(つか)い易(やす)きなり。
386	子(し)路(ろ)君子(くんし)を問(と)う。子(し)日(のたま)わく、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て敬(けい)す。日(いわ)く、斯(か)くの如(ごと)きのみか。日(のたま)わく、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て人(ひと)を安(やす)んず。曰(い)わく、斯(か)くの如(ごと)きのみか。日(のたま)わく、己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て百(ひゃく)姓(せい)を安(やす)んず。己(おのれ)を脩(おさ)めて以(もっ)て百(ひゃく)姓(せい)を安(やす)んずるのは、堯(ぎょう)・舜(しゅん)も其(そ)れ猶(なお)諸(これ)を病(や)めり。
387	原壌(げんじょう)、夷(い)して俟(ま)つ。子(し)日(のたま)わく、幼(よう)にして孫(そん)弟(てい)ならず、長(ちょう)じて述(の)ぶること無(な)く、老(お)いて死(し)せず。是(これ)を賊(ぞく)と為(な)す。杖(つえ)を以(もっ)て其(そ)の脛(すね)を叩(たた)く。
388	闕党(けっとう)の童子(どうし)、命(めい)を将(おこな)う。或(ある)ひと之(これ)を問(と)うて曰(い)わく、益(えき)する者(もの)か。子(し)日(のたま)わく、吾(われ)其(そ)の位(くらい)に居(お)るを見(み)るなり。其(そ)の先生(せんせい)と並(なら)び行(ゆ)くを見(み)るなり。益(えき)を求(もと)むる者(もの)に非(あら)ざるなり。速(すみ)やかに成(な)らんと欲(ほっ)する者(もの)なり。