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〔原文〕
子曰、爲命、卑諶草創之、世叔討論之、行人子羽脩飾之、東里子産潤色之。
〔読み下し〕
子日わく、命を為るに卑諶之を草創し、世叔之を討論し、行人子羽之を脩飾し、東里の子産之を潤色す。
〔通釈〕
孔子云う、「鄭(てい)の国が外交文書を作成する時は、まず切れ者の卑諶が草案を練り、博学の世叔が草案を検証し、文才に富む外交官の子羽が添削修飾を施して一連の文章がなる。最後に東里に住む宰相の子産がこれに潤いのある一文を加えて、正式の外交文書が出来上がる」と。
〔解説〕
鄭は強国晋と楚に挾まれて微妙な立場にあった国ですが、名宰相子産指揮の下、巧みな外交力で国難を切り抜けていたようです。
卑諶（ひじん） 大夫で計謀に優れた人物。
世叔（せいしゅく） 同じく大夫で博覧強記の人物
子羽（しう）
外交官で諸外国の文物に精通した人物。
子産（しさん） 公冶長第五108章前出。
鄭が外交文書を作る時のやり方は、基本的には現代もそう変わらないのではないでしょうか？企業が事業計画書を作る際にも応用されていますね。
一、
アイデアに富んだ切れ者に素案を練らせ、
二、 次に実現可能性についてのマーケティングを外部に依頼して検証し、
三、 行けそうだ！？となったら、製造・営業・経理から選抜したメンバーで
プロジェクトチームを編成して、マスタープランを作成し、
四、 最後に総責任者である社長自ら説得力のある一文を加えて取締役会に
かける。こうやっても、実際に売ってみなければ分からない。
世界のトヨタでさえ、満を持して発売したレクサスが、予定の半分しか売れていないというのだから、難しいね？商売は。そうかと思えば、石窯ブームで、マニュアル通りにパートが作る石窯パン屋に行列が出来て、飛ぶように売れている。パン屋はパン学校を出た職人がやるものかと思っていたら、このチェーン店では職人は一人もいないと云う。お世辞にも旨いとは云えない代物だが、石窯というだけで行列するなんて、分からんねえ？客の心理は。
〔子供論語 意訳〕
孔子様がおっしゃった、「鄭国が諸外国と友好条約を結ぶ時は、まずアイデアマンの卑諶という人が相手国の喜びそうなアイデアを出し、次にもの知り博士の世叔という人がその国の歴史や伝統と照らし合わせて、不都合がないかを吟味し、その後で外国語にたけた子羽という人がていねいに翻訳し、最後に総理大臣の子産という人が目を通してサインする。このように、それぞれのスタッフが力を合わせて友好親善につとめたので、鄭国はどこの国とも仲良くすることができた」と。
〔親御さんへ〕
リトビネンコという元KGBスパイが、亡命先のイギリスで猛毒の放射性物質ポロニウム210を盛られて暗殺されたニュースが報じられております。1ｇで1500万人も殺せるそうですね、ポロニウムは。フグ毒1ｇで7〜80人と云いますから、それの20万倍も毒性が強いということですか。元は宇宙船の原子炉用に開発されたようですが、恐らく濃縮行程の途中でバタバタと作業員が死んだのでしょう、これは毒薬として使える！と思いついた。
アルミ箔に包んでおけば、放射能が漏れないそうですから、考えようによっては核兵器よりも恐ろしい、ポケットに入れて誰でも持ち運べますからね。場合によっては、犬の首輪や伝書鳩の足輪にだって仕込める。目標に近づいたらリモコン操作で撒き散らす。誰にも怪しまれずに目的を達することができる。ミサイルを飛ばすより簡単でしょう、静止衛星で捕捉できないから。
ロシアが何ｇくらいポロニウム210を持っているのか分かりませんが、卵二ヶ分・100ｇもあれば15億人を殺せる勘定になる。その内ポロニウムの保有量が、核兵器に代って脅しの道具にならなければ良いのですが・・・。
007の国イギリスが、あれ程神経を使って捜査している背景には、もしかしたらそのような懸念があるのかも知れません、ホテル・レストラン・航空機等、徹底してやっているでしょう？痕跡探しを。テロリストの手に渡ったら大変なことになります。
ポロニウムなる猛毒があるなんて、今回の事件が起きる迄知りませんでしたよ。細菌兵器・化学兵器と云えば、ボツリヌス菌か炭疽菌、マスタードガスかサリンを撒き散らすこと位しか知りませんでしたからね。毒の研究も科学者がやっているのでしょうが、悪魔科学だねこういうのは。
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