憲問第十四 355

上へ

〔原文〕
子路問成人。
子曰、若臧武仲之知、公綽之不欲、卞子之勇、冉求之
文之以禮楽、亦可以爲成人矣。曰、今之成人者、何必然。見利思義、見危授命、
久要不忘平生之言、亦可以爲成人矣。

〔読み下し〕
()()成人(せいじん)()う。()(のたま)わく、(ぞう)()(ちゅう)()公綽(こうしゃく)不欲(ふよく)(べん)荘子(そうし)(ゆう)(ぜん)(きゅう)(げい)(ごと)き、(これ)(かざ)るに(れい)(がく)(もっ)てせば(また)(もっ)(せい)(じん)()すべし。(のたま)わく、(いま)成人(せいじん)(なん)(かなら)ずしも(しか)らん。()()ては()(おも)い、(あや)うきを()ては(めい)(さず)け、(きゅう)(よう)平生(へいせい)(げん)(わす)れざる、(また)(もっ)成人(せいじん)()べし。

〔通釈〕
子路が、出来た人物とはどのような人を云うのかを問うた。孔子は「臧武仲の智謀、孟公綽の廉潔、卞荘子の勇気、冉求の多芸の才を兼ね備え、その上礼楽の教養を身につけているような人物なら、成人(出来た人物)と云ってよかろう」と答えたが、言葉を継いで、「今のご時世ではそこ迄オールマイティーを求めるのは難しかろう。利に臨んだ時にはその利が義に叶ったものかどうかをよく考えて、危機に臨んだ時には潔く一命を捧げる覚悟があり、古い約束と雖も平生その約束言を忘れず実行する。このような人物であれば成人としてまずまず合格だな」と云った。

〔解説〕
臧武仲(ぞうぶちゅう) 魯の大夫で臧文仲(公冶長第五110章前出)の孫。臧文仲は孔子にこっぴどく批判された人物ですが、孔子は孫の臧武仲の智謀は高く評価していたようです。(但し、人柄は買ってない。357章後出)卞荘子(べんそうし) 魯の卞という地方の大夫で、親孝行で勇敢な人物だったようです。

現在我が国では、戸籍年令満20才を以て成年とすることを「成人」と称しておりますが、本来は戸籍年令に関係無く、智謀・廉潔・勇気・教養・礼節を兼ね備えた人物を成人と称する訳なんですが…。そこ迄は無理としても、利を見て義を思い、危機には一命を投げ出す覚悟があり、一旦口にしたことは言を違えない、これが出来て初めて成人ですが…。

賞味期限切れの原材料を会社ぐるみで使用していた某お菓子メーカー、非武装中立やられたらやられっ放しでいましょう!と憲法改正反対を唱える日本臆病党(旧社会党)、郵政民営化に反対した為自民党から追い出され、信念を曲げて復党した自民党代議士、これ自分達はそれで良いかも知れませんが、未成年の子供達にとって大変な悪影響を及ぼします。大人を見て育つんだから、子供は!

ゴマ化してでも儲けろ!臆病者になれ!都合が悪ければ変節しろ!と、身を以て示しているようなものでしょう?この人達は!! こういうのを昔は何と云ったかと云うと「卑怯者」と呼びました。卑怯者を成人と云わないとすれば、卑怯な大人は何と呼んだらいいのでしょうかねえ?大人の顔をした子供「コトナ」がいいか?「ウスラバカ」がいいか…?どうもウスラバカが一番ぴったりするようだね。

〔子供論語 意訳〕

弟子
(でし)
()()が、「大人(おとな)になるとはどういうことですか?」と質問(しつもん)した。孔子(こうし)(さま)は、「機転(きてん)がきいて(よく)ばらず、勇気(ゆうき)があって教養(きょうよう)(だか)く、その(うえ)礼儀(れいぎ)(ただし)しければ()うことはないが、ちょっと(むず)しいかな?そうだねえ、一に損得(そんとく)よりも善悪(ぜんあく)(かん)えて行動(こうどう)し、二にピンチの(とき)()(まわ)らず勇敢(ゆうかん)()()かい、三に一度(いちど)約束(やくそく)したことは最後(さいご)まできちんと(まも)る。これができれば大人(おとな)仲間(なかま)()りができるだろう」と(こた)えた。


〔親御さんへ〕
例のお菓子メーカーは一体どうなってしまったのでしょうか?そのメーカーのミ〇キーと云えば昔から親しまれて来た国民飴みたいなものでしょう?賞味期限切れの原材料を使っても、腐っている訳ではないからストレートに食中毒に結び付くものではないけれど、食品衛生法というちゃんとした法律があるのだから、それに違反するようなことをやれば、たちまち内部告発されて企業は潰れてしまいます。必ずしも事故を起こす訳ではないのに、酒を飲んで車を運転してらダメ!というのと同じです。ルールを守るのが大人の社会、子供のルール違反は大目に見ても、成人したら少年Aという訳には行かない、実名で報道されます。それだけ社会的責任が重くなるということですね。

そう云えば、新潟の小・中・高と進み東京の女子大と進んでバラバラ殺人をやらかした三橋歌織にはびっくりしましたね、三橋歌織が通っていた高校には連日報道陣が押しかけて、大事な共通一次を前にして授業にならなかったと云うじゃないですか。一次被害者が殺されたご主人とすれば、後輩の高校生が二次被害者ってことですな!

あ〜そうだ!当会に歌織の先輩がいたなあ?新潟の高校出身の…、金正日と誕生日が同じ2月16日生れの康ちゃんが!?でもこの子は大丈夫!両親がしっかり者だし、何と云っても大学時代の恩師が出来た人だからねえ…、勿論康ちゃん本人もしっかり者ですよ!!

でもすごいねえ、毎年2月16日には海を隔てた2000万人もの人民が祝ってくれるなんて、「マンセー!マンセー!」ってね。因みに、肝腎のご主人はいつも某お菓子メーカーからバースデーケーキを買って来るそうですが、今年は紅屋の大手饅頭にしたらどうかね?フレンドのキムチイタリアン付きで!?
 

憲問第十四 354 憲問第十四 355 憲問第十四 356
新論語トップへ