〔原文〕
子問公叔文子於公明賈曰、信乎、夫子不言不笑不取乎。公明賈對曰、以告者過也。夫子時然後言、人不厭其言。楽然後笑、人不厭其笑。義然後取、人不厭其取。子曰、其然。豈其然乎。
〔読み下し〕
子、公叔文子を公明賈に問うて曰わく、信なるか、夫子の言わず、笑わず、取らざること。公明賈対えて曰わく、以て告ぐる者の過てるなり。夫子、時にして然る後に言う、人其の言うことを厭わざるなり。楽しみて然る後に笑う、人其の笑うことを厭わざるなり。義にして然る後に取る、人其の取ることを厭わざるなり。子曰わく、其れ然り。豈其れ然らんや。
〔通釈〕
孔子が衛の大夫公叔文子の人柄を、同じ衛の人である公明賈に、「あの方は、何も言わない、少しも笑わない、いささかも取らない人だと聞きましたが、本当でしょうか?」と問うた。
公明賈は、「それは先生に話した人の思い違いでしょう。あの方も言ったり・笑ったり・取ったりは致します。ただ、言うべき時に自然に発言するので、嫌味がありません。本当に楽しい時に自然に笑うので、回りも気兼ねする必要がありません。義理に叶ったものしか受け取りませんので、皆も要らぬ心配をしなくて済むのです」と答えた。孔子は、「なる程そうか!それにしてもすごい人物だが、額面通りに受け取って良いものだろうか?」と云った。
〔解説〕
この時孔子は公明賈の説明に半信半疑だったようですが、なるほど公叔文子は額面通りの出来た人物であったことが後に分ります。(361章)
〔子供論語 意訳〕
孔子様が衛国の大臣公叔文子という人の評判を聞いて、同国出身の公明賈に、「本当ですか?あの方が言わず・笑わず・取らずというのは?」と質問した。公明賈は、「いいえ、それは先生に話した人がオーバーに言ったんですよ。あの方だって言ったり・笑ったり・取ったりはします。ただ、本当に大事なことしか言いませんから、周の人達も耳ざわりではないし、本当に楽しい時しか笑いませんから、周りの人達も目ざわりではないし、本当に必要な分しか取りませんから、周りの人達もとやかく言わないのです。」と答えた。孔子様は、「ほ〜、それはすごい人だ。でも本当かなあ?」とにわかに信じられないという様子であった。
〔親御さんへ〕
必要なこと以外は云わない。楽しいとき以外は笑わない、つまり、巧言令色のない公叔文子とは、どんな人をイメージしたら良いのでしょうか?
俳優で云えば高倉健?当会で言えば椿紀代司か?近藤行寛か?…、それとも田中壮太郎か?否、あれはピントはずれの樊遅だな。結構いるんですよ、論語の登場人物にそっくりな人が当会に。エッ?安達さん?決まっているでしょう!宋朝ですよ宋朝!!美貌で鳴らした。あの南子だってイチコロだったんだから。(今回は何だかオカシナ話しが続くねえ…)
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