121 |
子曰わく、雍や南面せしむべし。 |
122 |
仲弓、子桑伯子を問う。子曰わく、可なり、簡なり。仲弓日わく、敬に居て簡を行い、以て其の民に臨まば、亦可ならずや。簡に居て簡を行うは、乃ち大簡なること無からんや。子曰わく、雍の言然り。 |
123 |
哀公問う、弟子孰か学を好むと為す。孔子対えて曰わく、顔回なる者有り、学を好めり。怒りを遷さず、過ちを弐びせず。不幸短命にして死せり。今や則ち亡し。未だ学を好む者を聞かざるなり。 |
124 |
子華、斉に使す。冉子、其の母の為に粟を請う。子曰わく、之に釜を与えよ。益さんことを請う。曰わく、之に庾を与えよ。冉子、之に粟五秉を与う。子曰わく、赤の斉に適くや、肥馬に乗りて、軽裘を衣たり。吾之を聞く、君子は急しきを周うて富めるに継がずと。 |
125 |
原思、之が宰たり。之に粟九百を与う。辞す。子曰わく、毋かれ。以て爾が隣里郷党に与えんか。 |
126 |
子、仲弓を謂いて曰わく、犂牛の子、騂くして且つ角あらば、用うること勿からんと欲すと雖も、山川其れ諸を舍てんや。 |
127 |
子曰わく、回や其の心三月仁に違わず。其の余は則ち日に月に至るのみ。 |
128 |
季康子問う、仲由は政に従わしむべきか。子曰わく、由や果なり。政に従うに於て何か有らん。日わく、賜は政に従わしむべきか。曰わく、賜や達なり。政に従うに於て何か有らん。日わく、求は政に従わしむべきか。曰わく、求や芸あり。政に従うに於て何か有らん。 |
129 |
季氏、閔子騫をして費の宰たらしめんとす。閔子騫曰く、善く我が為に辞せよ。如し我を復する者あらば、則ち吾は必ず汶の上に在らん。 |
130 |
伯牛、疾有り。子、之を問う。窓より其の手を執りて日わく、之を亡ぼせり、命なるかな。斯の人にして而も斯の疾あるや、斯の人にして而も斯の疾あるや。 |
131 |
子日わく、賢なるかな回や。一箪の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人は其の憂いに堪えず、回や其の楽しみを改めず。賢なるかな回や。 |
132 |
冉求日わく、子の道を説ばざるに非ず、力足らざればなり。子日わく、力足らざる者は、中道にして廃す。今女は画れり。 |
133 |
子、子夏に謂いて日わく、女、君子の儒と為れ、小人の儒と為る無かれ。 |
134 |
子游、武城の宰たり。子日わく、女、人を得たりや。日く、澹臺滅明なる者あり。行くに径に由らず、公事に非ざれば、未だ嘗て偃の室に至らざるなり。 |
135 |
子日わく、孟之反、伐らず。奔りて殿す。将に門に入らんとして、其の馬に策うちて日わく、敢て後るるに非ざるなり。馬進まざるなり。 |
136 |
子日わく、祝鮀の佞に有らずして、宋朝の美あるは、難いかな、今の世に免れんこと。 |
137 |
子日わく、誰か能く出ずるに戸に由らざらん。何ぞ斬の道に由ること莫きや。 |
138 |
子日わく、質、文に勝てば則ち野。文、質に勝てば則ち史。文質彬彬として、然る後に君子なり。 |
139 |
子日わく、人の生くるや直し。之を罔いて生くるや、幸いにして免るるなり。 |
140 |
子日わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。 |
141 |
子曰わく、中人以上には、以て上を語るべきなり。中人以下には、以て上を語るべからざるなり。 |
142 |
樊遅知を問う。子曰わく、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、知と謂うべし。仁を問う。曰わく、仁者は難きを先にして獲ることを後にす、仁と謂うべし。 |
143 |
子曰わく、知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。知者は動き、仁者は静かなり。知者は楽しみ、仁者は寿し。 |
144 |
子曰わく、斉一変せば魯に至らん。魯一変せば道に至らん。 |
145 |
子曰わく、觚、觚ならず。觚ならんや、觚ならんや。 |
146 |
宰我問うて日わく、仁者は之に告げて、井に仁ありと曰と雖も、其れ之に従わんや。子曰わく、何すれぞ其れ然らん。君子は逝かしむべきも、陥るべからざるなり。求くべきも、罔うべからざるなり。 |
147 |
子曰わく、君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざるべし。 |
148 |
子、南子を見る。子路説ばず。夫子之に矢いて曰わく、予が否なる所の者は、天之を厭たん。天之を厭たん。 |
149 |
子曰わく、中庸の徳たるや、其れ至れるかな。民鮮きこと久し。 |
150 |
子貢日わく、如し博く民に施して、能く衆を済う有らば、何如。仁と謂うべきか。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや聖か。堯、舜も猶諸を病めり。夫れ仁者は、己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す。能く近く譬を取る。仁の方と謂うべきのみ。 |