〔原文〕
憲、問恥。子曰、邦、有道穀。邦、無道穀、恥也。
〔読み下し〕
憲、恥を問う。子日わく、邦、道有れば穀す。邦、道無くして穀するは、恥なり。
〔通釈〕
門人の原憲が、役人としてどんなことが恥ずべきことかを問うた。孔子は、「行政が正しく行われ人民の生活が安定しているならば、もらうべきもの(俸給)はもらって構わんが、行政が乱れ人民が苦しんでいるというのに、もらうべきものだけはちゃっかりもらっておくというのは、人として恥ずべきことだろう」と答えた。
〔解説〕
憲 姓は原(げん) 名は憲
字は子思。清貧を好み、狷者(けんじゃ)に近かったようだ。この孔子の言葉を今の役人が聞いたら、何と思うでしょうか?「何となく身につまされるな!?」と思うか、「自分達も生活がかかっている。もらうべきものをもらって何が悪い!?」と思うか、何も感じないか・・・。
やるべきことをしっかりやって、もらうべきものをきちんともらう、というのなら誰だって理解出来るし、文句を云う者は誰もいない。やるべきこともやらないで、もらうべきものだけはちゃっかりもらっていたりすると、国民は怒る。社会保険庁の職員は、今頃針の筵に座る想いだろう?と思っていたら、あれはOBがやったことで、自分達には関係ない!自分達こそ被害者だ!と大半が考えていると云う。
ナショナルが25年前に製造した石油ファンヒーターを、莫大な費用と労力を投じて回収しているけれども、あれ「OBがやったことで、私達には関係ない!」などとやっていたら、松下電器は潰れていたでしょうし、何万人もの社員が路頭に迷うこととなっていたでしょう。あれだけマスコミで叩かれ追及されても、未だに言い逃れに終始している社会保険庁の役人とは大違いです。「保身第一、正義は二の次三の次」が役人の習性なんでしょうか?自浄作用は働かないんでしょうかね、役人の世界は?
〔子供論語 意訳〕
弟子の原憲が、「公務員(役人)として恥ずかしいことはどんなことでしょうか?」と質問した。孔子様は、「やるべきことはしっかりやって、もらうべきもの(給料)をきちんともらうことは良い。だが、やるべきこともやらないで、もらうべきものだけはちゃっかりもらうというのは、役人の風上にもおけないね」とおっしゃった。
〔親御さんへ〕
どんな職場・どんな組織にも、力の出し惜しみをする人が居る。本人はその時は「シメシメうまくやった、儲かった!」と思っているかも知れませんが、これは悪しき習い性になりますから、気を付けなければなりません。力の出し惜しみは、精神を腐らせます。
奈良市環境部の男性職員が、病気休暇・休職を繰返し、5年間で8日しか出勤していないにもかかわらず、ちゃっかり給与をもらっていたことが発覚して大騒ぎとなりましたが、その後の調査で、年に36日(月に3日)しか出勤していないのに、5年間も給与を満額もらっていた職員が更に4人いた、と報道されておりました。これなどは、力の出し惜しみどころか泥棒でしょう?給料の!奈良市民は黙っていないでしょう。
民間企業ではあり得ないことですが、もしあったとすれば、当事者のみならず担当責任者も首が飛びます、グルでやったと見做されますからね、同類が5人もいれば。お役人さん、いい加減にして下さいよ!
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