093 |
子、公冶長を謂う、妻すべきなり。縲絏の中に在りと雖も、其の罪に非ざるなりと。其の子を以て之に妻す。 |
094 |
子、南容を謂う、邦に道有れば廃てられず、邦に道無ければ刑戮より免れん。其の兄の子を以て之に妻す。 |
095 |
子、子賤を謂う、君子なるかな若き人。魯に君子者無くんば、斯れ焉くにか斯れを取らん。 |
096 |
子貢問うて日わく、賜やいかん。子日わく、女は器なり。日わく、何の器ぞや。日わく、瑚lなり。 |
097 |
或るひと日わく、雍や、仁にして佞ならず。子日わく、焉んぞ佞を用いん。人に禦るに口給を以てすれば、屢々人に憎まる。其の仁を知らず、焉んぞ佞を用いん。 |
098 |
子、漆雕開をして仕えしめんとす。対えて日わく 、吾斯を之れ未だ信ずること能わず。子説ぶ。 |
099 |
子日わく、道行なわれず、桴に乗りて海に浮ばん。我に従わん者は其れ由なるか。子路之を聞きて喜ぶ。子日わく、由や勇を好むこと我に過ぎたり。材を取る所無からん。 |
100 |
孟武伯問う、子路仁なりや。子日わく、知らざるなり。又問う。子日わく、由や、千乗の国、其の賦を治めしむべきなり。其の仁を知らざるなり。求やいかん。子日わく、求や千室の邑、百乗の家、之が宰たらしむべきなり。其の仁を知らざるなり。赤やいかん。赤や束帯して朝に立ち、賓客と言わしむべきなり。其の仁を知らざるなり。 |
101 |
子、子貢に謂いて日わく、女と回と孰れか愈れる。対えて日わく、腸や何ぞ敢て回を望まん。回や一を聞いて十を知る。賜や一を聞いて二を知る。子日わく、如かざるなり。吾と女と如ざるなり。 |
102 |
宰予、昼寝ぬ。子日わく、朽木は雕るべからず、糞土の牆は杇るべからず。予に於てか何ぞ誅めん。子日わく、始め吾人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを信ず。今吾人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを観る。予に於てか是を改む。 |
103 |
子日わく、吾未だ剛なる者を見ず。或る人對えて日わく、申棖と。子日わく、棖や慾あり。焉んぞ剛なるを得ん。 |
104 |
子貢日わく、我人の諸を我に加うることを欲せざれば、吾も亦諸を人に加うること無からんと欲す。子日わく、賜や、爾が及ぶ所に非ざるなり。 |
105 |
子貢日わく、夫子の文章は得て聞くべきなり。夫子の性と天道とを言うは、得て聞くべからざるなり。 |
106 |
子路は、聞くこと有りて、未だ之を行うこと能わざれば、唯聞く有らんことを恐る。 |
107 |
子貢曰わく、孔文子は何を以て之を文と謂うや。子曰わく、敏にして学を好み、下問を恥じず、是を以て之を文と謂うなり。 |
108 |
子、子産を謂う。君子の道四有り。其の己を行うや恭、其の上に事うるや敬、其の民を養うや恵、其の民を使うや義。 |
109 |
子曰わく、晏平仲、善く人と交わる、久しくして之を敬す。 |
110 |
子曰わく、臧文仲、蔡を居く、節を山にし、梲を藻にす。何如ぞ其れ知ならん。 |
111 |
子張問うて日わく、令尹子文、三たび仕えて令尹と為れども、喜ぶ色無し。三たび之を巳められども、慍む色無し。旧令尹の政、必ず以て新令尹に告ぐ。如何。子曰わく、忠なり。曰わく仁なりや。曰わく、未だ知らず、焉んぞ仁なるを得ん。崔子斉の君を弑す。陳文子、馬十乗有り、棄てて之を違る。、他邦に至りて則ち曰わく、猶吾が大夫崔子がごときなりと。之を違る。一邦に至りて則ち又曰わく、猶吾が大夫崔子がごときなりと。之を違る。如何。子曰わく、清なり。曰わく仁なりや。曰わく、未だ知らず、焉んぞ仁なるを得ん。 |
112 |
季文子三たび思いて而る後に行う。子之を聞きて曰わく、再びせば斯れ可なり。 |
113 |
子曰わく、寗武子、邦に道あるときは則ち知なり。国に道無きときは則ち愚なり。其の知は及ぶべきなり。其の愚は及ぶべからざるなり。 |
114 |
子、陳に在りて日わく、帰らんか、帰らんか。吾が党の小子、狂簡、斐然として章を成す。之を裁する所以を知らざるなり。 |
115 |
子日わく、伯夷・叔斉は、旧悪を念わず。怨是を用て希なり。 |
116 |
子日わく、孰か微生高を直なりと謂うや。或るひと醯を乞う。諸を其の鄰に乞うて之を与う。 |
117 |
子日わく、巧言令色足恭なるは、左丘明之を恥ず、丘も亦之を恥ず。怨みを匿して其の人を友とするは、左丘明之を恥ず、丘も亦之を恥ず。 |
118 |
顔淵・季路侍す。子日わく、盍ぞ各々爾の志を言わざる。子路日わく、願わくは車馬衣裘い、朋友と共にし、之を敝りても憾むこと無からん。顔淵日わく、願わくは善に伐ること無く、労を施すこと無からん。子路日わく、願わくは子の志を聞かん。子日わく、老者は之を安んじ、朋友は之を信じ、少者は之を懐けん。 |
119 |
子日わく、已んぬるかな。吾未だ能く其の過ちを見て、内に自ら訟むる者を見ざるなり。 |
120 |
子日わく、十室の邑、必ず忠信丘が如き者有らん。丘の学を好むに如かざるなり。 |