151 |
子日わく、述べて作らず、信じて古を好む。竊に我が老彭に比す。 |
152 |
子日わく、黙して之を識し、学びて厭わず、人を誨て倦まず。何か我に有らんや。 |
153 |
子日わく、徳の脩まらざる、学の講ぜざる、義を聞きて徙る能わざる、不善の改むる能わざる、是れ吾が憂なり。 |
154 |
子の燕居するや、申申如たり、夭夭如たり。 |
155 |
子日わく、甚しきかな、吾が衰えたるや。久しきかな、吾復夢に周公を見ず。 |
156 |
子日わく、道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に游ぶ。 |
157 |
子日わく、束脩を行うより以上は、吾未だ嘗て誨うること無くんばあらず。 |
158 |
子日わく、憤せずんば啓せず、悱せずんば発せず。一隅を挙げて、三隅を以て反らざれば、則ち復せざるなり。 |
159 |
子、喪有る者の側らに食すれば、未だ嘗て飽かざるなり。子、是の日に於て哭すれば、則ち歌わず。 |
160 |
子、顔淵に謂いて日わく、之を用うれば則ち行ない、之を舎つれば則ち蔵る。惟我と爾と是れ有るかな。子路日く、三軍を行らば則ち誰と与にせん。子日わく、暴虎馮河、死して悔いなき者は、吾与にせざるなり。必ずや事に臨みて懼れ、謀を好みて成さん者なり。 |
161 |
子日わく、富にして求むべくんば、執鞭の士と雖も、吾而之を為さん。如し求むべからずんば、吾が好む所に従わん。 |
162 |
子の慎む所は、斎、戦、疾。 |
163 |
子、斉に在りて韶を聞く。三月、肉の味を知らず。日わく、図らざりき、楽を為すことの斯に至らんとは。 |
164 |
冉有日わく、夫子は衛の君を為けんか。子貢日わく、諾、吾将に之を問わんとす。入りて日わく、伯夷・叔斉は何人ぞや。日わく、古の賢人なり。日わく、怨みたるか。日わく、仁を求めて仁を得たり。又何をか怨みん。出て日わく、夫子は為けざるなり。 |
165 |
子日わく疏食を飯い水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみも而其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは、我に於いて浮雲の如し。 |
166 |
子日わく、我に数年を加え、五十にして以て易を学べは、以て大過無かるべし。 |
167 |
子の雅に言う所は、詩・書。執礼皆雅に言うなり。 |
168 |
葉公、孔子を子路に問う。子路対えず。子日わく、女奚ぞ日わざる。其の人と為りや、憤を発しては食を忘れ、楽しんでは以て憂いを忘れ、老の将に至らんとするを知らざるのみと。 |
169 |
子日わく、我は生まれながらにして之を知る者に非ず。古を好み、敏にして以て之を求めたる者なり。 |
170 |
子、怪・力・乱・神を語らず。 |
171 |
子日わく、三人行なえば、必ず我が師あり。其の善き者を択びて之に従い、其の善からざる者にして之を改む。 |
172 |
子日わく、天徳を予に生ぜり。桓魋其れ予を如何にせん。 |
173 |
子日わく、二三子、我を以て隠せりと為すか。吾は隠すこと無きのみ。吾行なうとして二三子と与にせざる者無し。是れ丘なり。 |
174 |
子、四を以て教う。文・行・忠・信。 |
175 |
子日わく、聖人は吾得て之を見ず。君子者を見るを得ば、斯れ可なり。子日わく、善人は吾得て之を見ず。恒有る者を見るを得ば、斯れ可なり。亡くして有りと為し、虚しくして盈てりと為し、約しくして泰かなりと為す。難いかな恒有ること。 |
176 |
子、釣して綱せず。弋して宿を射ず。 |
177 |
子日わく、蓋し知らずして之を作る者有らん。我は是れ無きなり。多く聞きて、其の善き者を択びて是に従い、多く見て之を識すは、知るの次なり。 |
178 |
互郷与に言い難し。童子見ゆ。門人惑う。子日わく、其の進むに与するなり。其の退くには与せざるなり。唯何ぞ甚しきや。人、己を潔くして進まば、其の潔きに与せん。其の往は保せざるなり。 |
179 |
子日わく、仁遠からんや。我仁を欲すれば、斯に仁至る。 |
180 |
陳の司敗問う、昭公は礼を知れるか。孔子對えて日わく、礼を知れり。孔子退く。巫馬期を揖して之を進めて日わく、吾聞く、君子は党せずと。君子も亦党するか。君、呉に取れり。同姓なるが為に呉孟子と謂う。君にして礼を知らば、孰か礼を知らざらん。巫馬期以て告す。子日わく、丘や幸なり。苟も過有れば、人必ず之を知る。 |
181 |
子、人と歌いて善ければ、必ず之を反さしめて、而る後に之に和す。 |
182 |
子日わく、文は吾猶人のごとくなること莫からんや。躬もて君子を行なうことは、則ち吾未だ之を得ること有らざるなり。 |
183 |
子日わく、聖と仁との若きは、則ち吾豈敢てせんや。抑之を為んで厭わず、人を誨えて倦ずとは、則ち謂うべきのみ。公西華日わく、正に唯弟子学ぶこと能わざるなり。 |
184 |
子の疾病なり。子路祷らんことを請う。子日わく、諸有りや。子路対えて日わく、之有り。誄に日わく、爾を上下の神祇に祷ると。子日わく、丘の祷ること久し。 |
185 |
子日わく、奢れば則ち不孫、倹なれば則ち固し。其の不孫ならんよりは寧ろ固しかれ。 |
186 |
子日わく、君子は坦かに蕩蕩たり。小人は長えに戚戚たり。 |
187 |
子、温にしてし。戚にして猛からず。恭にして安し。 |