482 |
子張曰わく、士は危きを見ては命を致し、得るを見ては義を思い、祭には敬を思い、喪には哀を思う。其れ可ならんのみ。 |
483 |
子張曰わく、徳を執ること弘からず、道を信ずること篤からずんば、焉んぞ能く有りと為さん。焉んぞ能く亡しと為さん。 |
484 |
子夏の門人、交を子張に問う。子張曰わく、子夏は何をか云える。対えて曰わく、子夏曰わく、可なる者は之に与し、其の不可なる者は之を拒まんと。子張曰わく、吾が聞く所に異なり。君子は賢を尊びて衆を容れ、善を嘉して不能を矜む。我の大賢ならんか、人に於て何の容れざる所あらん。我の不賢ならんか、人将た我を拒まん。之を如何ぞ其れ人を拒まんや。 |
485 |
子夏曰わく、小道と雖も、必ず観るべき者有り。遠きを致さんには泥まんことを恐る。是を以て君子は為さざるなり。 |
486 |
子夏曰わく、日に其の亡き所を知り、月に其の能くする所を忘るること無し。学を好むと謂うべきのみ。 |
487 |
子夏曰わく、博く学びて篤く志し、切に問いて近く思う。仁、其の中に在り。 |
488 |
子夏曰わく、百工肆に居て以て其の事を成す。君子、学びて以て其の道を致す。 |
489 |
子夏曰わく、小人の過つや、必ず文る。 |
490 |
子夏曰わく、君子に三変有り。之を望めば儼然たり。之に即けば温なり。其の言を聴けばし。 |
491 |
子夏曰わく、君子、信ぜられて而して後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば則ち以て己をましむと為す。信ぜられて而して後に諫む。未だ信ぜられざれば則ち以て己を謗ると為す。 |
492 |
子夏曰わく、大徳は閑を踰えず。小徳は出入するも可なり。 |
493 |
子游曰わく、子夏の門人小子、洒掃・応対・進退に当りては則ち可なり。抑末なり。之に本づくれば則ち無し。之を如何。子夏之を聞きて曰わく、噫、言游過てり。君子の道は孰れをか先に伝え、孰れをか後に倦まん。諸を草木の区して以て別つに譬う。君子の道は焉んぞ誣うべけんや。始有り卒ある者は、其れ唯聖人か。 |
494 |
子夏曰わく、仕えて優なれば則ち学ぶ。学びて優なれば則ち仕う。 |
495 |
子游曰わく、喪は哀を致して止む。 |
496 |
子游曰わく、吾が友張や、能くし難きを為すなり。然れども未だ仁ならず。 |
497 |
曽子曰わく、堂堂たるかな張や。与に並びて仁を為し難し。 |
498 |
曽子曰わく、吾諸を夫子に聞けり。人未だ自ら致す者有らざるなり。必ずや親の喪か。 |
499 |
曽子曰わく、吾諸を夫子に聞けり。孟荘子の孝や、其の他は能くすべきなり。其の父の臣と父の政を改めざるは、是れ能くし難きなり。 |
500 |
孟氏、陽膚をして士師たらしむ。曽子に問う。曽子曰わく、上其の道を失いて、民散ずること久し。如し其の情を得ば、則ち哀矜して喜ぶこと勿れ。 |
501 |
子貢曰わく、紂の不善や、是くの如く之れ甚しからざるなり。是を以て君子は下流に居ることを悪む。天下の悪皆焉に帰す。 |
502 |
子貢曰わく、君子の過や、日月の食の如し。過つや人皆之を見る。更むるや人皆之を仰ぐ。 |
503 |
衛の公孫朝、子貢に問うて曰わく、仲尼焉にか学べる。子貢曰わく、文武の道未だ地に墜ちずして、人に在り。賢者は其の大なる者を識り、不賢者は其の小なる者を識る。文武の道有らざること莫し。夫子焉にか学ばざらん。而して亦何の常師か之れ有らん。 |
504 |
叔孫武叔、大夫に朝に語りて曰わく、子貢は仲尼に賢れり。子服景伯以て子貢に告ぐ。子貢曰わく、之を宮牆に譬うれば、賜の牆や肩に及べり、室家の好きを窺い見ん。夫子の牆や数仞、其の門を得て入らざれば、宗廟の美、百官の富を見ず。其の門を得る者或は寡なし。夫子の云うこと、亦宜ならずや。 |
505 |
叔孫武叔仲尼を毀る。子貢曰わく、以て為すこと無かれ。仲尼は毀るべからざるなり。他人の賢者は丘陵なり。猶踰ゆべきなり。仲尼は日月なり。得て踰ゆること無し。人自ら絶たんと欲すと雖も、其れ何ぞ日月を傷らんや。多に其の量を知らざるを見るなり。 |
506 |
陳子禽子貢に謂いて曰わく、子は恭を為すなり。仲尼豈子より賢らんや。子貢曰わく、君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す。言は慎まざるべからざるなり。夫子の及ぶべからざるや、猶天の階して升るべからざるがごときなり。夫子にして邦家を得るならば、所謂之を立つれば斯に立ち、之を道びけば斯に行なわれ、之を綏んずれば斯に来り、之を動かせば斯に和らぐ。其の生くるや栄え、其の死するや哀しまる。之を如何ぞ其れ及ぶべけんや。 |