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原文
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作成日 2004年(平成16年)7月から11月 |
子所雅言詩書。執禮皆雅言也。
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〔 読み下し 〕 |
子の雅に言う所は、詩・書。執礼皆雅に言うなり。
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〔 通釈 〕 |
孔子が周の標準語で読誦したものは、詩経と書経であった。又、礼を執り行なう際の礼文も標準語で読んだ。
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〔 解説 〕 |
中国は広大で、現在標準語である北京語の他に、今でも50位の言語が使われていると聞きますが、孔子の頃は周の言語が標準語とされていたようです。春秋戦国時代迄は、文字も発音もバラバラであったものを、秦の始皇帝が小篆による「文字の統一」を行ない、以後筆談ならば全土で通じるようになったと言われます。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様が古典の詩経や書経を朗読する時は、すべて標準語の発音で読まれた。又、儀式で使われる用語も、標準語で読まれた。
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〔 親御さんへ 〕 |
現在の中国では北京語が標準語として使われておりますが、孔子の頃は周語が標準語として通用していたようです。孔子は魯の人ですから、勿論普段は魯の方言を使っていた。
日本の感覚で「方言と云っても、せいぜい東北弁と関西弁くらいの違いだろう?」と思ったら大間違いでありまして、中国の方言は一文字一文字発音がまるで違いますから、標準となる言語がありませんと、全く会話が成り立ちません。
春戦国時代迄は、文字もバラバラ発音もバラバラであったものを、秦の始皇帝が文字だけは統一してくれましたから、筆談すれば何とか意志は通じるものの、会話ができない。北京語ならば現在中国全土で通じますが、福建語は福建省でしか通じませんし、広東語は広東省でしか通じません。
喩えば、皆さんは香港(ホンコン)も厦門(アモイ)も中国の標準語(北京語)で、中国ならどこでも通用すると思ったら大間違い。香港をホンコンと発音するのは広東語、厦門をアモイと発音するのは福建語、標準語ではありません。
香港を標準語ではシャンカンと読み、厦門はシャーメンと読みます。そうですね、日本の感覚で云うと、津軽弁と鹿児島弁どころか、日本語と朝鮮語くらいの違いがあるのではないでしょうか
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