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原文
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作成日 2004年(平成16年)7月から11月 |
子曰、自行束脩以上、吾未嘗無誨焉。
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〔 読み下し 〕 |
子日わく、束脩を行うより以上は、吾未だ嘗て誨うること無くんばあらず。
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〔 通釈 〕 |
孔子云う、「束脩を納めて入門した以上は、私は未だ嘗て直接指導しないなどということはなかった」と。
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〔 解説 〕 |
束脩とは乾し肉を十枚束ねにしたもので、入門の際に師に贈る品とされた。現代で云えば、入学金或は入会金のようなものと思って良いでしょう。
前漢の武帝が儒教を国教に定めてから儒学が盛んとなり、高名な師匠には何千人もの弟子が殺到したと云われます。しかし、師匠が直接指導するのは限られた高弟だけだったようで、一般の弟子達は高弟から指導を受けた。これが所謂「塾頭」の始まりですね。ただこの文章を読みますと、孔子の時代はまだそのようなシステムにはなっておらず、師が直接弟子達に教えていたようです。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「入学金を納めて正式に入門したからには、皆直弟子として平等に扱います。決してえこひいきはしませんからね!」と。
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〔 親御さんへ 〕 |
季氏第十六を見ますと、孔子は息子の鯉と雖も特別扱いはしなかったと、弟子の
陳亢(ちんこう)が語っております。
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