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原文
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作成日 2004年(平成16年)4月から7月 |
子曰、君子博學於文、約之以禮、亦可以弗畔矣夫。
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〔 読み下し 〕 |
子曰わく、君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざるべし。
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〔 通釈 〕 |
孔子云う、「君子(人の上に立つ者)は偏らないように幅広く学び、学んだことを秩序立て要約できたなら、まず以て正道を踏み外すことはあるまい」と。
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〔 解説 〕 |
「博文約礼(はくぶんやくれい)」とは、広く学んで秩序立てて要点を整理すること。反対に、「繁文縟礼(はんぶんじょくれい)」とは、中身がないのにこまごまとしてやたらに煩わしいこと。広く学んでも、約礼ができないと何事も要領を得ません。約礼は訓練しないと身につきませんから、国語の時間に「文章を読んで200字以内に要点を述べよ」とテストされるんですね。
何を云いたいのかさっぱり訳の分からない人や、ある事を説明するのに、始めから終(しま)いまで全部しゃべらないと気が済まない人、つまり、要点を手短に述べられない人に時々出会しますが、閉口しますね。何か時間を奪い取られているようで、「それで一体何が云いたいの?」と、ついつい云ってしまう。今からでも遅くありませんから、「約礼」の訓練をした方がいいですね、こういう人は。人様の貴重な時間を奪い取っているようなものですからね。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「君達は、偏らず幅広く学びなさい。学んだら要点を整理してまとめてみなさい。これが勉強ができるようになるコツなんだよ」と。
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〔 親御さんへ 〕 |
お子さんに「約礼」(要点を整理してまとめる)の習慣をつけさせてやって下さい。これ(約礼)ができていないと、大人になってから「あいつの話はダラダラとして一向に要領を得ない!時間の無駄だ!!」と、周りから敬遠されることになりますからね、どんなに人柄が良くても。
半分は本人に責任がありますが、半分は親の責任です、約礼の訓練は。尚、博文(ひろふみ)という男子の名前は、この章からとって付けたものですね。有名な所では、明治の元勲伊藤博文がおります。
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