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原文
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作成日 2004年(平成16年)4月から7月 |
子曰、雍也可使南面。
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〔 読み下し 〕 |
子曰わく、雍や南面せしむべし。
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〔 通釈 〕 |
孔子云う、「雍は政治を執(と)らせても南面(立派)に務まる人物だ」と。
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〔 解説 〕 |
雍 姓は冉(ぜん)名は雍(よう) 字は仲弓(ちゅうきゅう)。十哲の一人で徳行の人。
南面とは、天子や諸侯が南向きで政治を執ったことから、君主(為政者)となって政治を執ることを意味するようになった。我が国でも、白河天皇(11世紀)によって始まる院政のころから、南面即ち、南向きで政治を執るようになったと云われます。
これとは逆に、北面というものがあって、君主に仕える下臣のことを云う。君主が南を向いて話をすれば、これに対座する下臣が北を向いて聴くのは、当たり前と云えば当たり前ですが。
同じく白河天皇の頃に、御所の北面(きたおもて)にあって院中の警護を専らとする、北面の武士というものも登場します。
尚、本章と次章を合わせて一章とするケースもありますが、ここではテキスト(仮名論語)に従いました。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様が弟子の冉雍を評して、「彼に一度、総理大臣をやらせてみたいものだね」とおっしゃった。
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〔 親御さんへ 〕 |
今の政治家の中で、南面(国家指導者)させてみたい人物を挙げてみろ!?と云われれば、「晋也可使南面・晋(しん・安倍晋三)や南面せしむべし」となりましょうか。岸信介の孫で安倍晋太郎の子というだけあって、国家及び国民の「安・富・尊・栄」を叶え守ることが政治家の使命であることをはっきりと自覚している、近年希に見る本格的な政治家のようです。幹事長になりましたから、どうやらレールに乗ったようですね。
子路第十三で、子貢が孔子に「第一級の政治家とはどういうものか?」と質問した際、孔子は、「己を行うに恥有り、四方に使いして君命を辱めざるは士と謂うべし」と答えている。つまり、人間として卑しい行為を恥じる心があり、国及び国民が周辺諸国から辱めを受けないように、毅然として対処することのできる人物を、第一級の政治家としている。安倍晋三がいなかったら、北朝鮮の拉致問題はどうなっていたか?外務官僚ペースで「これにて一件落着!」となっていたのではないでしょうか。
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