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原文
〕 作成日 2004年(平成16年)2月から3月 |
子曰、晏平仲、善與人交、久而人敬之。
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〔 読み下し 〕 |
子曰わく、晏平仲、善く人と交わる、久しくして之を敬す。
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〔 通釈 〕 |
孔子云う、「斉の宰相晏平仲は、交際の道をよく心得ていた。長い付き合いの人に対しても、敬意を失うことがなかった」と。
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〔 解説 〕 |
晏平仲 姓は晏 名は嬰(えい) 字は仲、平は諡。斉の霊公・荘公・景公の三君に仕えた名宰相。晏嬰の言行を集録編纂したものに「晏子春秋」がある。
有名な格言に次のようなものがあります。「君子独立影に慚(は)じず、独寝魂に慚じず・立派な人物は一人でいる時も自分の影に恥じるようなことはしない。又、寝ている時も己の魂に恥じるようなことは考えない」。
「聖人の千慮にも必ずや一失有り。愚人の千慮にも必ず一得有り・聖人の多くの考えの中にも必ずや一つや二つの失策はある。愚人の多くの考えの中にも必ず一つ二つの取り柄がある」。
孔子36才の頃斉に行った際、景公に認められて召し抱えられようとしたが、晏嬰が反対した為仕官できなかった時の様子が微子第十八(仮名論語281貢)にあります。普通は自分の足を引っ張る者に対しては悪く云いたくなるものですが、孔子は自分の仕官を妨げた晏嬰に対しても、フェアーな評価を下している。見習わないといけませんね。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「斉の国の総理大臣晏平仲は、人づきあいを大切にした人で、つきあいの長い人ほど彼を敬愛した」と。
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〔 親御さんへ 〕 |
晏平仲は能力手腕とも抜群の人でしたが、「親しき仲にも礼儀あり」を地で行った相当に出来た人物であったようです。普通は長くつき合うと慣れ合って、無遠慮でぞんざいに流れるものですが、こういう所は見習わないといけませんね。付き合いの長い人程敬愛したといいますから、決してよそよそしくはなかったのでしょう。馴れ馴れしいのも嫌なものですが、よそよそしいのはもっと嫌ですね、他人行儀で。
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