前章で紹介した明末の儒者呂新吾は、見せ掛け君子を次のように定義しています。

『君子に似た小人・・・老詐濃文（ろうさのうぶん）にして善く蔵（おさ）め巧みに借り、天下の大悪を為し、天下の大名を占め、事幸いにして敗れざれば、当時後世皆欺く所となり、而してついに知らざる者なり』

「見せ掛け君子とは、老獪にして言葉巧みに上辺を飾り、大きな悪事を働きながら名声を勝ち得る。しかも悪事が露見しないので、今の人のみならず後世の人も騙されて、それに気付く者はいないというような人物」と。

見せ掛け君子で真っ先に思い浮かぶのは、ノーベル文学賞を受賞したＫ．Ｏではないでしょうか。在日朝鮮人の北朝鮮帰還運動が盛んだった昭和30年代、頻繁に使用されたキャッチフレーズが、「北朝鮮は地上の楽園」というものでした。この言葉を作ったのは Ｒ、ｈＨ，世間に広めたのがＫ．Ｏ。

この「北朝鮮は地上の楽園」なる美名に騙されて帰還した在日朝鮮人は、その数約十万人。期待に胸を膨らませて北朝鮮の港に着いた途端、地上の楽園どころか地上の「生き地獄」であることを思い知らされることとなる。最近、北朝鮮に渡った後再び日本に帰った人達の手記が出版されておりますが、それを見ると、万景峰号で北朝鮮の港に着いた瞬間、一様に「騙された！」と感じたそうです。

昭和30年代当時、Ｋ．Ｏと一緒に北朝鮮帰還推進運動をやっていた佐藤勝巳氏（現、拉致被害者を『救う会』幹事）は、後年このことを深く悔い、Ｋ．Ｏに、北朝鮮帰還者の日本再帰国運動をやろうと何度も協力を求めたそうですが、既に文壇の重鎮となっていＫ．Ｏは、「知らぬ存ぜぬ」の一点張りで、今でも知らん振りを決め込んでいるそうです。

今度自分で「Ｋ．Ｏ賞」なる文学賞を創設したようですが、芥川賞でも直木賞でも、ああ云った類は、本人が亡くなった後で出版社が創設してくれるものでしょう？呂新吾が見たら何と云うでしょうか！？

如何にもっともらしく人権だ！平和だ！と声高に論じようと、「地上の楽園を信じて北朝鮮に渡った人達の人権はどうなっているんだ！？平和はどうなっているんだ！？」と問われたら、返す言葉がないでしょう。だから彼の講演会では、演題以外の質問は一切お断りですね。
　

今はキネシオロジーテストによって、相手が本当のことを云っているのか？嘘をついているのか？更には、主張する内容は善意から来るものか？悪意から来るものか？その人の意識のレベルまで数値で測定することができるようになりましたが、キネシオロジーテストが発見されていないつい最近迄の人物鑑識法は、為政第二26章にあったように、「其の以（な）す所を視（み）、其の由（よ）る所を観（み）、其の安ずる所を察（み）」て判断する以外に方法はありませんでした。

学而第一の冒頭で、19世紀スイスの哲学者アンリ・フレデリク・アミエルの箴言「心が変れば態度が変る。態度が変れば習慣が変る。習慣が変れば人格が変る。人格が変れば人生（運命）が変る」というものを紹介しましたが、そもそもの元である心、つまり、自分の思いを変えるのはとても辛いことです。

思いを変えるとは、それ迄長年奉じて来た信念体系と云うか価値基準と云うか、精神支柱を自らへし折るようなものですから、手や足の骨を折るより何倍も辛い。出来ることならこれ迄の惰性で生きて行きたい所ですが、キネシオロジーテストで心の状態・意識のレベルが丸裸にされてしまうとなれば、自分はごまかせても、人はごまかせなくなりますから、否でも応でも曲がった心は変えざるを得なくなる。

ログ200未満のネガティブなエネルギーを持った思い（意識）の場合、異化作用を起こして、自分のみならず子供や家族にも悪影響を及ぼします。喩えは悪いかも知れませんが、自分が汚染源になって、家中に病原菌をばらまいているようなものなんですね、思いは波動を伴ったエネルギーですから。

逆に、ログ200以上のポジティブなエネルギーを持った思い（意識）は、同化作用を起こして、家族全員が明るく健康になる。家庭を照らす光源、つまり、太陽みたいなものですね。汚染源になるか？光源になるか？全てはあなたの思い次第です。どうせなるなら、光源になりましょうよ！