子罕第九 224

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原文               作成日 2005年(平成17年)3月から6月
子曰、出則事公卿、入則事父兄。喪事不敢不勉。不爲酒困。何有於我哉。
 
〔 読み下し 〕
()(のたま)わく、(いで)ては(すなわ)(こう)(けい)(つか)え、()りては(すなわ)()(けい)(つか)う。()(こと)(あえ)(つと)めずんばあらず。(さけ)(みだれ)()さず。(なに)(われ)()らんや。
 
〔 通釈 〕

孔子云う、「出仕しては政府の高官に精一杯仕え、家にあっては父兄に精一杯仕える。葬儀があれば一所懸命手伝い、振る舞い酒で乱れることがない。まあ私のできることと云えば、こんな所かな」と。
 

〔 解説 〕

孔子は3才の時に父を失っておりますが、腹違いの兄が一人(孟皮)おりました。孟皮は生れつき足が悪かった為(小児麻痺だったようです)ほとんど力仕事ができませんから、孔子が生活の面倒をみていたようです。仕官の叶わぬ当時の儒家の主な収入源は、庶民の葬儀を取仕切る際の謝礼でした。

貨幣はまだありませんでしたから、干肉や穀物や酒が報酬だったのでしょうが、その酒で乱れを為す人も結構いたのでしょう。「酒の困(みだれ)を為さず」の言葉の裏には、弟子達に
「振る舞い酒に溺れるな!酒は飲んでも飲まれるな!!」という含意があったのではないかと思います。孔子は酒は好きだったようですが、乱れることはなかったと郷党第十にありますので、かなり強かったようですね。そのせいでしょうか?儒学をやる人に酒好きが多いのは!?
 

〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)がおっしゃった、「君達(きみたち)学校(がっこう)では先生(せんせい)指示(しじ)によく(したが)いなさい!家庭(かてい)では(おや)()うことをよく()きなさい!(こま)っている友達(ともだち)がいたら()()()りをせず、手助(てだす)けしてあげなさい!(おや)内緒(ないしょ)()()いをしてはいけません!!素直(すなお)(やさ)しく我慢(がまん)(づよ)()になりなさい」と。
 
〔 親御さんへ 〕

こういう文章は、本当に頭が痛くなります。子供は職場の経験がありませんし、葬儀の手伝いもできませんし、酒を飲んで暴れるなんてこともありませんからね。仕方なくこのような意訳となりました。悪しからず。
 

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