〔原文〕
子曰、其身正、不令而行、其身不正、雖令不從。
〔読み下し〕
子日わく、其の身正しければ、令せずして行われ、其の身正しからざれば、令すと雖も従わず。
〔通釈〕
孔子云う、「上に立つ者が、日頃正しい行ないをやっていれば、いちいち命令などしなくとも部下は率先して行動するようになる。逆に、上に立つ者がデタラメをやっていれば、いかに厳しく部下に命令した所で、誰もついて来ない」と。
〔解説〕
上下の身分が截然(せつぜん)としていた封建時代に於いてさえ、肩書だけでは通用しない!と孔子は云っておりますから、民主主義の現代に於いては尚更でしょう。つまり、リーダーの第一条件は人望!人望がなかったらリーダー失格!!ということですね。
〔意訳〕
孔子様がおっしゃった、「リーダーが良いお手本を示せば、黙っていても部下はついて来る。反対に、リーダーがデタラメばかりやっているのに、ああしろ!こうしろ!といったって、部下は誰もついて来ない」と。
〔親御さんへ〕
本章の後に顔淵第十二307章後段の文言を持って来ると、一層意味が鮮明になるでしょう。曰く、「其の身正しければ、令せずして行なわれ、其の身正しからざれば、令すと雖も従わず。君子の風は徳なり、小人の徳は草なり。草、之に風を上(くわ)うれば、必ず伏す」と。
|