〔
原文
〕
作成日 2003年(平成15年)11月から12月 |
子曰、君子欲訥於言、而敏於行。
|
〔 読み下し 〕 |
子曰わく、君子は言に訥にして、行ないに敏ならんと欲す。
|
〔 通釈 〕 |
孔子云う、「君子たる者は、口は訥弁でも良いが、行動は俊敏でありたいものだ」と。
|
〔 解説 〕 |
孔子は黙々と実行するタイプを好んだようで、口達者はお好みではなかったようです。有言実行よりも不言実行を上と捉えていたのでしょう。
|
〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「君達!口数は少なく、行動は素早くありなさい!」と。
|
〔 親御さんへ 〕 |
返事もできない挨拶もできないようでは困りますが、口数が少ない人物には一目置きたくなりますね。明代末期に呂新吾という儒者がおりまして、人物を三等級に分けて論じております。(呻吟語)
一、深沈厚重なるは第一等の資質なり
寡黙でどっしりと落ち着いている人物、これが一流の人物である。
二、磊落剛勇なるは第二等の資質なり
気が大きく小事にこだわらない人物、これが二流の人物である。
三、聡明才弁なるは第三等の資質なり
頭が切れて弁の立つ人物、これは三流の人物に過ぎない。
西洋でも「沈黙は金、雄弁は銀」という諺がありますから、洋の東西を問わず「深沈厚重の人物」が一流のようですね。ただ、たまに「むっつり助平」もおりますから、「大人(たいじん)は必ず寡黙なり。然れども、寡黙必ずしも大人ならず」といった所ですかな。
|