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原文
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作成日 2003年(平成15年)5月から7月 |
子曰、詩三百、一言以蔽之。曰思無邪。
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〔 読み下し 〕 |
子曰わく、詩三百、一言以て之を蔽う。曰わく、思邪無し。
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〔 通釈 〕 |
孔子云う、「詩経三百五編を総括してみるならば、『思うところに邪念がない』という句がある通り、すべて人の真(まこと)の情の発露であると云えよう」と。
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〔 解説 〕 |
『思い邪無し』とは、詩経魯頌(ろしょう)駉(けい)編の中の一句。初代魯頌伯禽(はくきん)の様子を述べたものと云われる。伯禽とは、孔子が理想の人物像と仰いだ周公旦の伜。周公旦は、武王の弟で成王の叔父に当る。
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〔 一言メッセージ 〕 |
『真心を言葉に置き換えたものが詩、邪心を言葉に置き換えものが呪(のろい)』
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「昔の詩集の特徴は、どれも真心があって人情味にあふれている」と。
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〔 親御さんへ 〕 |
詩経に興味のある方は、白川静・梅原猛の対談集「呪(じゅ)の思想」(平凡社)を一度お読みになってから、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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