八佾第三 056

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原文                  作成日 2003年(平成15年)7月から 10月
子曰、射不主皮。爲力不同科。古之道也。
 
〔 読み下し 〕
()(のたま)わく、(しゃ)(かわ)(しゅ)とせず。(ちから)(しな)(おな)じくせざるが(ため)なり。(いにしえ)(みち)なり。
 
〔 通釈 〕
孔子云う、「古の競射は、的の皮を射貫くか射貫かぬかは重要なことではなかった。なぜかというと、人それぞれに力の差がある為、全員を一律に扱う訳には行かないからである。これが古の射の道である」と。
 
〔 解説 〕

原文「為力不同科」を「力を為すに科(か)を同じくせず」と読み下しても良い。ともに競技にクラス別(等級別)を設けて競わせるの意となりますから。今で云えば、柔道やボクシングやレスリング等の格闘技に、体重別を設けるようなものですね。
 

〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)がおっしゃった、「(むかし)弓道(きゅうどう)は、(けもの)毛皮(けがわ)(まと)使(つか)ったが、(まと)()()たればそれで()しとして、毛皮(けがわ)射抜(いぬく)かどうかは問題(もんだい)ではなかった。なぜかというと、(ひと)には(うま)れつき(ちから)(つよい)(ひと)もいれば(よわ)(ひと)もおり、丈夫(じょうぶ)(ひと)もおれば(からだ)(よわい)(ひと)もいるのが()たり(まえ)で、全員(ぜんいん)(おな)課題(かだい)()()てる(わけ)には()かないからなんだね。1年生(ねんせい)と6年生(ねんせい)相撲(すもう)試合(しあい)をするなんておかしいだろう?だから、学年(がくねん)見合(みあ)った課題(かだい)(あた)えられるようになっているんだね、昔(むかし)から。こうすると、段々(だんだん)(ちから)がついてくるんだよ」と。
 
〔 親御さんへ 〕

最近はキレて暴れる子が増えて、教師はどう対処したら良いか分からず、頭を抱えているそうですが、脳の研究からキレル原因が解明され、治療法が発見されたそうです。キレル子の脳をMRIで調べてみると、一人の例外もなく前頭葉の前方部位が発達せず平らになっているそうです。

なぜここが発達しないかというと、小さい頃から叱られることもなく・叩かれることもなく育てられますと、我慢したり忍耐したりすることを覚える脳の部位が活性化せず、眠ったままの状態になってしまうのだそうです。

そういう状態の子に、ちょっと我慢を要するきつい課題を与えたりしますと、普通の子には何でもないことであっても、この子達はこれに対応する脳が眠った
ままで機能しませんから、どう対処して良いか分からず脳が混乱してしまう、それが「キレル」という症状なのだそうです。

これに対する治療法はそれ程難しいものではなく、眠っている部位を起してやればよい、つまり、汗をかく運動を繰返しやらせて脳を快感優位脳の状態に保ちながらキレル脳を鍛えて行く。

人間の脳は同時に二つのことを考えられませんから、快感を感じている間はキレたりすることができない訳ですね。負荷を加えて行くと、確かに脳のある部位は「ちょっとキツイな?キレちゃおうかな!?」と感じても、脳全体が快感優位になっていますから、キレルことはない。

負荷を徐々に強めながら繰返しやっていますと、今まで眠っていた前頭葉前方部が活性化されて、動き出すようになる。つまり、脳が我慢したり忍耐したりすることを覚えるようになる、ということですね。筋力トレーニングならぬ脳力トレーニングですね、これは(根本療法でしょう)。

脳も肉体の一部ですから、体の健康診断をやるのと同様に、小学校低学年のうちにMRIで脳の健康診断をやれば、キレル脳かどうかがはっきり分かって、有効な予防措置(脳力トレーニング)が講じられると思うのですが、脳の研究団体が文部省や厚生省に何度提案しても、教職員組合が「人権」とか「差別」を持ち出して反対するのだそうです。

「既に医学的に解明されているのに、それでは直る子も直らなくなってしまって、一生キレ症を負ったまま生きて行かなければ成らなく成るではないか!その方が人権蹂躙ではないのか!?」と申し入れしても、日教組からは何の返事もないそうです。

これも何かオカシナ話しですが、脳の専門家の間では、こういうこと迄分かっているんですね。脳の専門家が、キレル脳は小学生の間なら確実に直せると云っているのに、専門家でもない教師が反対する科学的根拠は一体何なのでしょうか?本人は勿論、親も教師も社会も救われるというのに、反対する理由は何なのでしょうか!?子を持つ親は、もっともっと強く賢く
ならないといけませんね。
 

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