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原文
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作成日 2003年(平成15年)7月から
10月 |
孔子謂季氏、八佾舞於庭。是可忍也、孰不可忍也。
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〔 読み下し 〕 |
孔子、季氏を謂う、八佾庭に舞わしむ。是をも忍ぶ可くんば、孰れをか忍ぶべからざらんや。
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〔 通釈 〕 |
孔子が季孫氏を批評して云った、「季孫氏は家廟の祭礼で、天子のみが用いる八佾の舞楽を公然と自分の庭で舞わせた。大夫(家老)の身分では四佾で舞うべきところなのだが、天子の舞楽を舞わせるとは、僭越も甚だしい。このようなことが平気でまかり通るなら、どんな大それたことでもしでかしかねないだろう」と。
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〔 解説 〕 |
序列からすれば孟孫一叔孫一季孫の順になりますが、末っ子の季孫が一番の勢力家だったようです。八佾とは、天子が行うことのできる舞楽のこと。佾とは隊列編成のことで、古来二つの説があります。
一つは、一佾八人編成として
天子は八佾・・・
・・・8人×8列=64人
諸侯(大名)は六佾・・8人×6列=48人
大夫(家老)は四佾・・8人×4列=32人
士(武士)はニ佾・
・・8人×2列=16人
今一つは二乗則として
天子は八佾・・・・
・・8人×8列=64人
諸侯は六佾・・・・
・・6人×6列=36人
大夫は四佾・・・・
・・4人×4列=16人
士 はニ佾・・・・
・・2人×2列= 4人
ただ、佾という文字は人+八+月(からだ)から成っているところを見ますと、
文字通り前者に従った方が妥当なのではないかと思います。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
孔子様がおっしゃった、「季孫さんが自宅の庭で王様だけに許される八佾の舞を舞わせたそうな。季孫さんは家老だから四佾の舞がきまりなのだが、うぬぼれが過ぎるな。平気でルール違反をやるようでは、この先が思いやられるね」と。
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〔 親御さんへ 〕 |
八佾の舞は現在でも台湾に残っておりまして、孔子の誕生を祝う「釈奠祭(せきてんさい)」(毎年9月)に孔子廟で舞われています。孔子は大夫でしたから、四佾(32人又は16人)で舞うのが決まりですが、何人で舞っていたかちょっと忘れましたので、どなたか台湾に行かれる機会がありましたら、調べて来て下さい。
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