述而第七 174

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原文                作成日 2004年(平成16年)7月から11月
子以四教。文・行・忠・信。
 
〔 読み下し 〕
()(よつ)(もっ)(おし)う。(ぶん)(こう)(ちゅう)(しん)
 
〔 通釈 〕
孔子の教育方針は、

  一.古典の教養を身につける、
  二.徳を実践する
  三.何事も誠実に対処する、
  四.言を違えない、  
          の四箇条であった。
 
〔 解説 〕

私共が十年以上も学んでいる論語などは古典中の古典でありますが、「経学(けいがく)(考証学)」を学ぶつもりでやっていたら、こんなに続かなかったと思います。「人間学」として、如何に思い・如何に語り・如何に為すべきか!?つまり、身・口・意のあるべき姿を「論語に学ぶ」という一貫した方針でやって来ましたから、飽きることなく今日迄続いているのではないでしょうか。

ところで当会設立の「理念」、皆さん覚えていますか?理念とは、拠って立つ所の理想とする念い、即ち、レーゾンデートルのことですから、建物に喩えれば「土台」に当たるものですが、覚えているかな?

「学真行道・真理を学び道を行ずる」、これです!当会のレーゾンデートルは!!つまり、徳の実践を標榜する集まりなんだね、初めっから。「道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に游ぶ」をモットーとする会なんですよ。

芸(げい)(芸者・ホステス)と遊ぶことでも、芸(ゲイ・オカマ)と遊ぶことでもないんだね。本来の芸とは、礼・楽・射・御・書・数の六芸を云いますが、現代でいえば高い教養を身につけるとなりましょうか。しっかり頼みますよ!
 

〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)弟子(でし)(たち)(きび)しくしつけたことは、(いち).(ほん)をよく()むこと、().口先(くちさき)だけでなく実行(じっこう)すること、(さん).(ひと)親切(しんせつ)にすること、(よん).約束(やくそく)(かなら)(まも)ることの(よっ)つであった。
 
〔 親御さんへ 〕

これなどは現代でも「家庭教育の指針」として、立派に通用するのではないでしょうか。孔子が生きていた頃の中国人は、皆勉強家で精神修養を積んだ立派な人達だったんだろうな?と勘違いするアワテ者がおりますが、全く逆です。

勉強嫌いで・口先だけ言葉巧みで・人には無関心冷淡で・平気で嘘をつく平均的中国人の習性は、昔も今も少しも変わっていない。だから孔子の語る一言一句が、当時としては常識はずれの革命的な言葉として残って来たんですね。

これは釈迦もイエスも同じです。今にしてみれば当たり前じゃないか!?と思われるかも知れませんが、当時としては革命的なことを語っていたんです。釈迦も孔子もイエスも、当時の
常識を覆す革命的な教えを説いたから、時空を超えて今日まで残っているんですね、真理として!
 

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