季氏第十六

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<季氏第十六>
  2005−11−12

・君子に三愆(ケン)有り

 年も位も上の人に侍する場合に犯しがちな過ちが三つある。

  @先方からはなしかけられもしないのに、こちらから発言する。
  A話しかれられているのに、きちんと受け答えをしない。
  B相手の顔色を察することなく、唐突に発言する。

 これらを明き盲の過ちという。
 
・君子に三戒有り

  @青年期には、血気が定まらず情に激しやすいので、色欲を戒める
  A壮年期に及ぶと、血気盛んとなって自尊心が強くなり、遜(へりくだる)る
         気持ちを失いがちとなるので、人との争いを戒める。
  B老年になって血気も衰えてくると、地位・名誉・財産に執着しがちになる。
   年をとったら貪りの気持ちを戒めなければならない。 

・君子に三畏有り

  @天命を畏れ敬い
  A天命を体しておる大人を畏れ敬い
  B大人の奉ずる聖賢の教えを畏れ敬う

  大人と小人の決定的な違いは「畏敬の念」の有りや無しや

・君子に九思有り

@視るには明を思うべし(視思明)
  物事を観察するときは、枝葉末節にこだわらず、本質を見抜くように心がける。

A聴くには聡を思うべし(聴思聡)
  人の意見を聴くさいは、先入観にとらわれぬよう、虚心坦懐を心がける。

B色には温を思うべし(色思温)
  顔色は温和であるように心がける。 

C貌には恭を思うべし(貌思恭)
  態度は常に恭く(うやうやしく)あるように心がける。

D言には忠を思うべし(言思忠)
  言葉は口先だけにならぬよう、誠実を心がける。

E事には敬を思うべし(事思敬)
  仕事に臨むときは、慎重であるよう、心がける。

F疑には問を思うべし(疑思問)
  疑わしいことについては、そのまま放置せず、人々に問うて
  質することを、心がける。

G忿には難を思うべし(忿思難)
  腹が立つときは、腹立ち紛れに当り散らせば、あとでどんな災難が
  起きるかを考えて、自重を心がける。

H利には義を思うべし(利思義)
  利益に直面したら、その利が義に叶ったものであるか否かを
  峻別するように、心がける。
  


<季氏第十六> 2005−10−8

・季氏は将に顓臾(センユ)を伐たんとす。・・・・・・

ここで孔子が言わんとした事は
@力を陳べて列に就き、能わざれば止む。
  力の限り尽くして職務を全うし、それが出来ないのであれば、辞職せよ。
A寡なきを患えずして均しからざるを患え、貧しきを患えずして、安からざるを患う。
  貧しいことを憂えず、配分が均等でないことを憂えよ。貧しいことを憂えず、
  人々が安心して暮らせないことを憂えよ。平等と公平、安心と平和ことが、為政の要点。
B汝の敵は外にあらずして汝の内にあり

平等とは、機会の平等、チャンスの平等であって、結果の平等ではない
結果は公平でなければならない。結果の公平とは、成果に応じて配分すること。

・孔子曰く、天下道あれば・・・

・孔子曰く、禄の公室を去ること五世なり・・・

・孔子曰く、益者三友、損者三友

○過ちを直言してくれる友、誠実で裏表のない友、博学多識の友
×体裁ぶるが中身のない友、愛想は良いが実のない友、口先は達者だが情のない友

高野先生より提案・・・「論語に学ぶ会・交友三則」
@友の過ちには直言すべし!体裁づくりに終始すべからず。
A裏表なく誠実に友と会すべし!愛想笑いに終始すべからず。
B必ず友から学ぶへし!外交辞令に終始すべからず。
 
・孔子曰く、益者三楽、損者三楽

○礼節と音楽によって自己を調律する楽しみ。人の美徳を噂する楽しみ、
    賢い友が多くいる楽しみ。
×我が儘勝手に振舞う楽しみ、怠け遊ぶ楽しみ、酒食に耽る楽しみ。