衛霊公第十五

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<衛霊公第十五>
 2005−9−10

あまり多かったので、解説は省略

・巧言は徳を乱る。小、忍ばざれば即ち大謀を乱る。

・衆之を悪むも必ず察し、衆之を好むも必ず察す。

   大衆が好むから良い、大衆が嫌うから悪いと、決めつけるのは早計。
   民主主義は最良ではない、むしろ最悪を防ぐための制度である。
   ダンテが言う「地獄への道は、いつも善意で舗装されている」

・人能く道を広む、道、人を弘むるに非ず。

・過ちて改めざる、是を過と謂う。

・吾かって終日食らわず、終夜寝ねず、以って思う。益無し。学ぶに如かざるなり。

・君子は道を謀りて食を謀らず。耕して餒(うえ)其の中に在り。学べは禄
 其の中に在り。君子は道を憂いて貧しきを憂えず。

・知は之に及べども、仁之を守ること能わざれば、之を得ると謂えども必ず之を失う。
 知は之に及び、仁能く之を守れども、荘以って之にのぞまざれば、即ち民敬せず。
 知は之に及び、仁能く之を守り、荘を以ってこれにのぞめども、之を動かすに
 礼を以ってせざれば、未だ善からざるなり。

   荘→威厳  礼→規律
   トップの条件をずばり言っている。
   適度に頭が切れて、適度に優しさがあって、適度に貫禄があって、適度に厳しさがある   

・君子は小知すべからずして、大受すべきなり。
 小人は大受すべからずして、小知すべし。

・民の仁に於けるや、水火よりも甚だし。水火は吾踏みて死する者を見る。
 未だ仁を踏みて死する者を見ざるなり。

・仁に當りては、師にも譲らず。

・君子は貞にして諒ならず。

・君に事(つか)うるには、其の事(こと)を敬して、その食を後にす。

・教有りて、類無し。

・道同じからざれば、相(あい)為に謀らず。

・辞は達するのみ。

・師冕(シベン)見ゆ。階に及べり。子曰わく、階なり。子曰わく、席なり。皆座す。
 子之に告げて曰わく、某はここに在り。師冕出す。子張問うて曰く。師と言う道か。
 子曰わく、然り。固(もと)より師を相(たす)くる道なり。

<衛霊公第十五> 2005−7−9

「君子は諸(これ)を己に求む。小人は諸(これ)を人に求む。」

 ・出来た人物は、何事も自分の責任として受け止めるが、くだらない人物は、
    万事他人のせいにして、責任からのがれようとする。
 ・論語の倫理を一言でいえば、それは反省の倫理・・・東北大学名誉教授、故吉田賢抗先生。
 ・自己責任と反省の心とは、合わせ鏡。責任感のない所に反省の芽はないし、反省のない所に
  新生(脱皮・向上)の縁はない。

「君子は言を以って人を挙げず、人を以って言を廃せず。」

 ・出来た人物は、言うことが良いからといって、言葉だけでそのまま信用したりはしない。
  又、日頃の行いが良くないといって、その人の良い発言までも全面的に否定したりはしない。
 ・日本人の悪い癖。気に入った人の発言ならば「鰯の頭も信心から」となって全肯定する。
  気にくわない人の発言は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と、全否定してしまう。

「一言にして以って身を終うるまで之を行うべき者有りや」
「其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すことなかれ」・・・・・これは論語の黄金律

 ・一生涯実践して差し支えないことを一言で述べるとしたら何でしょう
  それは恕(人を思いやること)かな。恕とは、自分が人からして欲しくないことは、
  人に対してもしないこと。

 ・もう一つの黄金律は「雍也第六・150」
 「己(おのれ)立(た)たんと欲(ほっ)して人(ひと)を立て、己(おのれ)達(たつ)せんと
  欲して人を達す」         
 
仁者とは、自分がこうありたい・ああなりたいと思うことは先ず人にやってあげる。
  つまり、よく我が身に置き換えて己の欲する所人に施して行く。これが仁者のやり方。
 こちらを参照・・ http://rongo.jp/kaisetsu/rongo150.html

 ・聖書の黄金律は
 「凡(すべ)て人に為(せ)られんと思うことは、人にも亦その如くせよ」
   (マタイ福音書 7章12節)聖書と論語で、同じことを言っている。

  さらに聖書の黄金律は
 「まず、神の国と神の義を求めなさい。」(マタイ福音書6章33節)
 「自分自身を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい」
  (マタイ福音書 19章19節)・・・これは論語でいう恕、つまり仁です。聖書と論語は似ています。


<衛霊公第十五> 2005−5−14

「人無遠慮、必有近憂」

人にして遠き慮(おもんぱかり)なければ、必ず近き憂い有り」

安岡正篤先生の思考の三原則から
  @目先に囚われず、長期的視野で考察する。
  A一面的に捉えず、多面的・全体的に考察する。
  B枝葉末節に囚われず、根本的に考察する。  
 

<衛霊公第十五> 2005−4−19
 
子張が「思う事がそのとおりにおこなわれるようにするには、どうしたらよいでしょう」と
質問したが、孔子の答は
「言忠信  行篤敬 」。時代を超え、どんな国でも通用する、真理です。

  言忠信 →言う事に実があり、嘘いつわりがない
    行篤敬 →やる事に情があり、おくゆかしい。
    
<衛霊公第十五> 2005−3−12

「孟子」 告子章句・下から
天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先ず其の心志を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、
其の體膚を飢えしめ、其の身を空乏にし、行うところ其の為さんとする所に拂乱せしむ。
心を動かし性を忍ばせ、其の能くせざる所を増益せしむるなり。