公冶長第五 120

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原文          作成日 2004年(平成16年)2月から3月
子曰、十室十邑、必有忠信如丘者焉。不如丘之好學也。
 
〔 読み下し 〕
()(のたま)わく十室(じゅっしつ)(ゆう)(かなら)忠信(ちゅうしん)(きゅう)(ごと)(もの)()らん。(きゅう)(がく)(この)むに(しか)かざるなり。
 
〔 通釈 〕
孔子云う、「戸数十戸くらいの小さな村でも、私のような律儀者はいるだろう。しかし、私ほど学問好きな者はまずいないだろう」と。
 
〔 解説 〕
孔子は自慢などすることのない人ですが、こと学問となると、人一倍の自負心(プライド)があったようです。孔子程の大人物ならば、「十室の邑」などと云わず、「万乗の国」或は「天下」と云っても通用すると思いますが、「十室の邑」と控えめにいう所が、いかにも孔子らしくていいですね。
 
〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)がおっしゃった、「田舎(いなか)のどんな(ちい)さな(むら)にも、(わたし)のような正直(しょうじき)ものはいるだろう。しかし、(わたし)ほどの勉強家(べんきょうか)はそうはいないだろうね」と。
 
〔 親御さんへ 〕
孔子の学問の仕方は、

   学びて思い・思いて学ぶ、
   学びて語り・語りて学ぶ、
   学びて行い・行いて学ぶという

地に足のついた手堅い学び方だったようです。学問を身につけるとはこういうことを云うのでしょうが、詰め込み・丸暗記では身につきませんね、試験が済めばすぐに忘れてしまいます。
 
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