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< 6月例会 第219回> 2017-06-10

子供論語




前半…高野先生の講話

釈迦・孔子・イエスの比較



〇それぞれの教えをまとめた書物
 イエスの教えは聖書。世界のベストセラーです。孔子の会話集が論語で、これは世界一のロングセラーです。会話集なので孔子の失敗談も載っている。仏教の代表的経典は般若心教ですが、
シャカ族の使っていたマガダ語には文字がありませんでした ので、弟子は釈迦の教えを後世に伝える為、おりにふれ集まって確認しあいました。これを「結集」といます。その後釈迦の教えはパーリ語に翻訳されて文字になりました。それが更にサンスクリット語 、そして漢語に翻訳され、日本に伝来しました。三蔵法師の漢訳・般若心教が最も普及していますが難解です。

 以前、リサ・ランドール(
平成19年7月14日の推薦図書)を読みなさいと云いましたが、この本で紹介されている「ダークマター、ダークエネルギー」が「無」の概念なのでしょうし、神と言えない事もありません。さらに釈迦は「アヤナワン」の図を書いて弟子に教えを説いた思われます。中庸もアヤナワンの図がないと、何がなんだか分かりません。

 アヤナワンの図については、
2007年・新春合同例会 演題『儒教の神髄を語る』をご覧ください。http://www.niigata-ogawaya.co.jp/rongo3/goudou-2007-01.htm





〇三聖人の生まれた環境、教えの特徴と変遷
 ・
釈迦  ・生まれは紀元前566年 - 紀元前486年 
      ・王家の生まれ 裕福な環境 穏やかであるが理屈っぽい
      ・釈迦の生まれた国には、文字がなかった。
      ・黄金律は四摂事
菩薩が衆生を救済する為の四つの実践徳目のこと
                布施(ふせ) ・・・相手の迷いを解く為に真理を教える。
                          愛語(あいご)・・・相手が理解できるよう温和に語る。
                          利他(りた)   ・・・相手を利する行いをする。
                          同事(どうじ)・・・相手と同じ立場に立って手助けする。
      ・仏教はインドで生まれたが、現在のインドはヒンズー教。
      ・釈迦は法を説く為に修行が必要と感じ、王家を捨てた。
         悟り@ 六年間、菩提樹のもとで
麻麦(まばく)の行を終え、この世は
              四苦八苦であると悟った。子罕第九225をご覧ください。
         悟りA 娘からミルク粥をもらって食べた時、中道の悟りを開いた。
             
雍也第六131 
             弾琴の悟りともいわれる。弦は強く張りすぎれば切れる。
             張り方が弱ければ、鳴らない。
         悟りB 三方印  諸行無常 すべての物は常に変化する 
                  諸法無我 すべての物質には実態がない
                  涅槃寂静 悟りを開いた世界は限りなく静か
         悟りC 究極の悟り 輪廻転生 業(カルマ)の法
      ・仏教の経典は文字化されたための弊害もある。頭でっかちの弟子のせいで
       複雑怪奇な内容となった。紀元150年ころ南インドの竜樹や中国の智が
       仏教の立て直しを行った。
      ・読経は釈迦の教えを忘れないための「結集」のなごりなのかもしれない。
      ・釈迦は慈悲を説いたが、愛は説いていない。
      ・釈迦は知性の人。


 ・孔子  ・生まれは紀元前552年 - 紀元前479年  
      ・幼くして両親をなくし極貧の環境。-ほのぼのとしてユーモラスな性格。
       遊び心があり、人の痛みが分かる。 
      ・文字があった。
      ・黄金律 
雍也第六の「己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して
           人を達す」
      ・儒学は中国で生まれたが、現在の中国は共産党の教義一辺倒。

      ・孔子は理性の人。

 。イエス ・生まれは紀元前6年 - 紀元28年       
      ・大工の家に生まれる。貧しい家庭。情熱があり猪突猛進タイプ。時の
       権力者から憎まれ、磔となった。この時の言葉が「神よ彼らを赦し
       たまえ、彼らは自分が何をしているのかが分からないのです」
       弟子も情熱家が多い。12使徒もほとんどが非業の死をとげている。
       キリスト教の布教に多大の貢献をしたパウロは、ユダヤ教の優等生で
       あったが、失明した後イエスに会って目がみえるようになった。以後、
       回心しキリスト教をヨーロッパ、特にギリシャに伝えた。ギリシャ語の
       通訳はマルコであった。

      ・イエスはよみがえりという表現を何度も使っているが、生まれ変わりを
       認めると、バチカンが困る。法王は神が選ぶとされていたから。
      ・マルチン・ルターが宗教改革を唱えるまでは、神に救済される人は予め
       決まっているという「救済予定説」が一般的であった。救済を予定されて
       いない者は免罪符を買うように勧められた。これはバチカンの大きな
       財源となった。 
      ・聖書を読むことができたのは、聖職者のみであった。ドイツ語・英語・
       フランス語に翻訳され、庶民。 
     
      ・文字があった。
      ・黄金律
 マタイによる福音書第七章十二節「すべて人にせられんと
           思うことは、人にも又その如くせよ」
。論語と一緒。
      ・キリスト教はイスラエルで生まれたが、現在のイスラエルはユダヤ教。
      ・日本では牧師や神父のなり手が少ない。大学でも神学部が廃止された。
       過去キリスト教の信者か100万人を超えたことがない。
       これは、日本仏教の歴史が関係している。
          仏教の最大宗派は浄土真宗であるが、親鸞の前世はパウロである。
          信徒を増やした功労者の蓮如は、イエスの弟子のアンレイ。
      ・イエスは感性と悟性の人。

〇日本という国
 仏教、儒教、キリスト教が絶妙のバランスで残っているのは日本てある。イスラム教も
ユダヤ教も日本では広まらないであろう。イスラム教とユダヤ教は「目には目を」という
同害復讐法がある。日本人は老子の「以徳報怨」や、孔子の「以直報怨」という考えが
一般的である。

 ヒンズー教はカースト制度のせいで、日本には向かない。
   バラモン(司祭)、クシャトリヤ(王族)、バイシャ(庶民)、シュードラ(奴隷)
現在カースト制度は法律で禁止されているが、結婚、就職、友人などさまざまな場面で
根強く残っている。日本の常識は「有教無類」「
性相近也。習相遠也」。

 論語の伝来には諸説あるが、古事記によれば五世紀頃、王仁博士が論語と千字文を

日本に伝えたとある。日本人は千字文で漢字を、論語から文章を会得した。仏教が
伝わるのは200年ほど後。日本の仏教は儒教のフィルターがかかっている。   

新通釈 学而第一009から012 


後半…雍也第六 128章から  今日は時間がなくなり進めず。




 

 

 


 
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   後半…雍也第六 128章から















 

 

 


 
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